初月売上20万円からの飛躍。バックショット×ブリーチなしの中明度カラーで人気をつかんだnude鎌形実由さんの軌跡 #Z世代のスター発掘

 

SNSでの競争がどんどん激しくなっている近年。デジタルネイティブ世代の若手美容師たちは、どんな武器を手にこの激しい時代を勝ち抜いているのでしょうか?

 

表参道nude(ヌード)の人気スタイリスト・鎌形実由(かまがた みゆ)さんは、美容師歴8年目。数度の転職を経て、nudeに入社したのは26歳のときでした。スタイリストデビュー後はSNS集客に苦戦し、初月の売上は20万円だったそう。

それでも、ある投稿をきっかけに状況が一変。そこから予約が一気に動き始め、現在は来年オープン予定の新店舗代表にも抜擢されるほどの活躍ぶりです。今回は、そんな鎌形さんの躍進ストーリーをお届けします。

 


 

大学を中退し、美容専門学校へ。大型店、個人店を経てnudeへ

 

 

高校卒業後、一度は4年制の大学に進学したものの「やっぱり美容師になりたい」と思い中退することに。そんな経緯で、私は2年遅れて美容師の道を歩き始めました。

新卒で入社したのは、安心感で選んだ大型店です。しかし、配属されたのはターミナル駅の地下店舗で、想像していた同世代の多いサロンではなく、顧客の年齢層は高め。理想の環境とは違っていました。

10人いた同期は次々に退職し、半年後には私ともう1人だけに…。そんな環境で働くうちに、「原宿や表参道で美容師をする方が、自分は楽しいのかも」と思うようになり、当時通っていた原宿の美容室へ思い切って転職しました。その後、先輩スタイリストの独立に合わせて新店舗へ移ったのですが、なかなかスタイリストデビューの機会に恵まれず…。再び転職活動を開始したタイミングで出会ったのがnudeでした。

 

 

nudeでは基礎から見直すため、シャンプーから改めてカリキュラムをスタートしました。カットは苦戦して「一生わからないかも…」と不安になる瞬間もありましたが、カラーの試験は比較的早く合格。私自身もカラーが何より好きだったので、そこが自分の強みだと感じていました。そして入社から1年後、27歳でようやくデビュー。アシスタント期間は通算5年と長い道でしたが、自分にとってはベストなタイミングでした。

 

アシスタント時代を振り返ると、楽しかった記憶のほうが強いです。営業後の練習やモデル入客も負担に感じることはありませんでしたね。ウィッグだけをひたすら切っていたら、しんどかったのかもしれませんが、仲の良い友人やモデルさんが来てくれたおかげで、会話も含めていい息抜きになっていました。

 

デビュー初月の売上は20万円。SNS迷走から抜け出せた「3ヵ月ルール」

 

 

楽しく過ごしたアシスタント期間とは裏腹に、デビュー後は思い悩むことが多かったです。実は、デビュー初月の売上は20万円で…。友人以外のお客さまは2名のみで、正直かなり焦りました。周囲のスタイリストはみんなSNS集客が軌道に乗っていて、1ヵ月以上先まで予約が埋まっていました。その一方で、私は投稿スタイルが迷走し、フォロワーも3000人ほど。店舗のアシスタントも十分に足りていて、手持ち無沙汰になってしまう時間も多く、余計に「このままではまずい」という不安が大きくなっていきました。

 

アシスタント時代からInstagramは続けていましたが、「どんな投稿がお客さまに届くのか」がわからず、その時々で流行っているものを試してはやめる、の繰り返しでした。文字多めの情報系投稿をやってみたり、メイク動画をあげてみたり…。でも、どれもしっくりこないし、反応も薄い。結果が出ていないのに「おしゃれじゃないInstagramにはしたくない」という気持ちだけが先行して、今振り返ると完全に空回りしていたと思います。

 

 

そんな私を見て、手を差し伸べてくれたのが代表でした。売上が上位のスタイリストを集めて食事会を企画してくれたんです。何度かその会に参加させてもらう中で、先輩から「まずは3ヵ月、テイストを変えずに投稿を続けてみて」という助言が。それまでの私は、反応が悪いと2週間くらいで諦めてしまい、すぐに違うスタイルへ切り替えていました。でも先輩が「お客さまには来店周期がある。最初の投稿を見て保存していた人が、3ヵ月後に来店したくてInstagramに戻ってきたとき、投稿の雰囲気が変わっていたらそこで離れてしまうよ」と教えてくれて。その一言で、ようやく続ける意味がストンと腑に落ちました。

 

 

そこから、自分がいちばんしっくりくる“バックショット”での投稿に絞り、言われたとおり3ヵ月テイストを変えずに続けることにしました。自分の世界観に合わせて、明るめのベージュ系で色味もトーンも統一。最初はすぐに結果が出るわけではありませんでしたが、少しずつ確実に予約が入り始め、「ちゃんと届いている」という手応えを感じるようになりました。

 

>保存数1.6万。奇跡の大バズで予約がいっぱいに

 

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