【京都発】コロナ禍を突破口に、新たなステージへ飛躍した20代美容師の挑戦――riah代表・福田佑也が語る”白髪ぼかしハイライト“の可能性
スタッフへの支援と将来のビジョン
――福田さんがいち早く取り組み始めた「白髪ぼかし」ですが、今では業界全体のトレンドワードになっていますよね。デザインカラーを楽しむ世代が広がっていることについて、どう捉えていますか?
白髪は年齢とともに必ず生えてくるものなので、この流れが廃れることはまずないと思います。若い世代とは違い、大人世代のお客さまはリピート率が高く、客単価も高い傾向にあります。その点でも、サロンの売上に与える影響は大きく、実際に僕自身の出店も「白髪ぼかし」にシフトしたことで、独立という大きなチャンスを掴むことができました。
ただ一方で、「白髪ぼかし」は美容師側の経験値が非常に問われる技術だと感じています。最近はSNSで発信する美容師さんも増えていますが、「この人は本当に上手い」と思えるのは、少し前のハイライトブームからデザインカラーを積み重ねてきた一部の人たちなんですよね。
うちのサロンにも「白髪ぼかし」をスタッフに教えられる環境はありますが、あくまで選択肢のひとつ。強制することはありませんし、実際には幅広いニーズのお客さまが気軽に来店されています。

――スタッフは、好きな施術ジャンルを打ち出せるんですか?
はい。ブリーチデザイン、レイヤーカット、韓国風メンズスタイルなど、それぞれのスタッフが得意なジャンルを打ち出して活躍しています。スタイリストは、みんな2〜3枠で施術していますね。メンズは大手メンズサロン出身のスタッフが担当しているので、その分野はカリキュラム作りからサロンワークまで任せています。
――今後の展開について教えてください。
今年、2店舗目をオープン予定です。その次は、メンズサロンも出店したいと考えています。1年に1店舗のペースでサロンを展開し、さらに成長していきたいですね。経営は簡単なことではないですが、やるべきことをしっかりやれば大丈夫だと楽観的に考えていて。毎日ワクワクしますし、独立して本当によかったと思っています。

僕は美容学校時代は落ちこぼれで、一生懸命勉強してテストを受けても、全く点数が取れなくて。先生から呆れられるほどでした。そもそも美容師を仕事に選んだときも、強い思い入れがなく、なんとなく選んだ道だったんです。でも今こうして仕事に夢中になれる環境を自分で作れていることが、本当に面白いなと思うんです。人生どこにチャンスがあるか分かりません。これからも美容師の仕事を楽しみながら進んでいきたいですね。

- プロフィール
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福田佑也(ふくだゆうや)さん/『riah』代表
1996年、京都府生まれ。京都理容美容専修学校卒業後、京都府内の地域密着型サロンに入店。ハイライトやバレイヤージュなどブリーチデザインを強みに活躍し、23歳で店長に抜擢。その後、コロナ禍でInstagram集客に注力し、”白髪ぼかしハイライト”で人気を博す。2022年12月に独立して、河原町に『riah』をオープンし、月間最高売上510万超えを達成。今年、2店舗目の出店も予定している。
Instagram:@riah_yuya
(文/織田みゆき 撮影/山元祐人)