カウンセリングなくして「ハンサムショート」は作れない。一人ひとりに似合わせるための極意とは – Of HAIR 今泉孝記さん

カウンセリングで、お客さま自身も気づいていない「なりたい自分」を引き出す

 

 

ハンサムショートのオーダーで一番多いのは、20代後半〜30代くらいのお客さま。「自信をつけたい」、「変わりたい」という希望をお持ちで、ロングからバッサリとショートにされる方もいらっしゃいます。来店された段階で、「切りたいけど、どうしよう…」って悩んでいるお客さまもいらっしゃいますが、だいたいは背中を押してもらいたいと思っていることが多いんです。なので、躊躇されている場合でも、「はじめはボブにして、次にショートに」といった段階を踏むような提案はあまりしません。一旦ボブまで切ると、すぐにショートにしたくなって、またこなくちゃいけなくなっちゃうので(笑)。似合うと思ったら最初からショートをおすすめします。

 

カウンセリングでは、普段スタイリングをされるかなどの生活スタイルや、カールがあるものが好きなのか、ストレートがいいのかなど、お客さまの好みをできるだけ引き出すようにしています。髪が短くなればなるほど、軽さや、ライン、長さなど、少しの違いで大きく印象が変わるので、お客さまがどこにこだわりたいのかをしっかり見極める必要があるんです。「お任せで」という方の場合も、Instagramの写真を見せて、どのスタイルが好きなのかをうかがいますし、写真を見せてくださる場合でも、前髪やラインなどその写真のどこが好きなのかをしっかりとカウンセリングして、イメージを共有しています。

 

 

ただ、お客さまの中には、最初から質問攻めにされるのが苦手な方も多いと思うんです。その場合は、ウェットカットの状態で、少し長めに切ることも多いです。僕は美容師なので、お客さまを見て、「この長さになったらこうなる」ということがイメージできますが、お客さまは、最終的な長さに近づけてあげないと、どうなるのか想像もつきません。「こうなりたい」というイメージがお客さま自身でつきやすくなるように、少し長めにウェットカットをしてから、さらに希望を引き出すんです。

 

また、ショートにすると雰囲気が大きく変わって、今着ている服とマッチしないということもありますよね。例えば、「ラインがパツンとしたモードでかっこいいショートにしたい」という希望だけど、すごくガーリーなフッションをされていたり。そういうときは、「完成したらこんな雰囲気になりますよ」とお伝えすることもあります。ヘアスタイルって、デザインが先行するのではなく、その人のファッションや性格、ライフスタイルなどがベースにあり、その上でデザインがあるものだと思うんです。ファッションなども含めて雰囲気をがらりと変えたい人もいれば、今までの雰囲気を残しつつ、ちょっとだけカッコよくしたいというお客さまもいます。変わりたい度合いは人それぞれなので、そういったお客さまのニュアンスを掴むことも大切。カウンセリングがスタイルのほとんどを決定づけるといっても過言ではないと思っています。

 

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