メンズサロン『Skill』教育司令塔の思考法。最高教育責任者・長尾大志が築く“再現性”のカリキュラム
Skillへの転職が転機に。縮毛矯正講師として全国へ
――Skillへ移った経緯は?
天神で働き始めて1年4ヵ月経った頃、Skillがオープンしました。福岡の有名メンズ美容師が集まり、これは大きなブランドになると直感したんです。それで半年後に参加しました。当時、ちょうど縮毛矯正ができるスタイリストを探していたそうで、僕のSNS発信を見た人がつなげてくれて。
――前社を離れるのも葛藤があったのでは?
そうですね。前社のメンバーは大好きでしたし、一生そこで働くつもりでしたから。それでもSkillのビジョンと、「福岡から全国へ」という構想に強く惹かれました。当時の前社エリアマネージャーに相談したら、「本当は残ってほしい。でも前向きな転職だし、悔しいけど応援する」と言って送り出してくれて。今でも本当に感謝しています。

――Skillへの転職が、大きな転機になったんですね。縮毛矯正はどのように習得されたのでしょうか。
レディース技術をベースに独学で応用しました。それをSNSで時々発信していたんです。僕自身もクセ毛で、縮毛矯正をしています。学生の頃はアイロンでヘアセットをするのが主流でしたが、縮毛矯正やダウンパーマが世の中に浸透し、今の若い世代はアイロンを持っていない人も多くて。髪の形を変えられるという認識になっているんですよね。
――“曲がる縮毛矯正”も広がりましたね。加藤敦貴さん(ulus代表)と共同で指導されていますが、これはどのような経緯で?
“曲がる縮毛矯正”の第一人者は、加藤さんです。“曲がる縮毛矯正”という技術を知り、独自研究を進めていました。加藤さんとはSNSで意見交換を重ねるなど交流があり、あるとき福岡まで来てくださって。その際に資格制度の話を伺い、ビジョンに共感したため、一緒に広めていくことにしました。

デビュー2〜3ヵ月で月売上100万円を超える教育とは
――現在は、最高教育責任者として社内教育を担っていますね。
ありがたいことにスタッフも増え、100人を超えました。規模が拡大しても、Skillの価値を再現性高く継承することが重要です。各スペシャリストの技術やスタイルがどういう要素で成り立っているのか。それを分解して言語化し、みんながデビューして、それらを当たり前に再現できるように取り組んでいます。カリキュラム構築はもちろん、デビューしてしっかり売上を上げられるよう接客面も教えていますね。
Skillでは新卒アカデミーからスタイリストデビューすると、半年以内に月売上110万円を達成することを“義務教育”として行っていて。もちろん多少の前後はありますが、今のところ全員が半年以内に110万円を達成しています。去年の新卒は11人入って、すでに5人デビューしたんですが、うち4人は2〜3ヵ月で100万円を達成しました。カリキュラムの仕組みもありますが、現場の店長のマネジメント力と愛情が、かなり大きいと思っています。

――福岡在住で東京店舗の教育も担うのは、大変ではないですか? トレンドも違うと思いますが、そのギャップはどのように対応しているんでしょうか。
カリキュラムとは別に、社内コンテンツとして「スキルキャンプ」と命名したセミナー動画を毎月提供しています。トレンドの技術やサムネイルづくりなどを、社内で共有できるようにするためです。例えば、去年1月にフェザーショートが流行りだしたときには、その技術に強いスタイリストの工程を撮って、解説動画を作りました。他にも縮毛矯正やパーマ、カットなど、いろんなジャンルにそれぞれ強いスタイリストがいるので、その秀でている技術を、エリアが違っても共有できるようにしているんです。動画制作用のスマートフォンを店舗で用意しているので、それで撮影と編集までやっています。

――教育に注力している長尾さんですが、現在のサロンワークはどのようなペースで?
福岡にいる時は現場にも少し出ていますが、基本的には顧客の次回予約で1〜2カ月先まで埋まっており、新規はほとんど受け付けていない状態です。現在はどちらかというと経営サイドに立つことが多く、代表と話す時間が中心になっています。現場と経営陣のパイプ役のようなポジションを担えているのではないかと思います。