寺村塾#2 カラーやパーマの仕組みをきちんと理解して施術していますか? -「美容化学者」かずのすけさん-(前編)

仕組みを知らずにカラーやパーマをするのは不安じゃないの?

 

 

寺村:パーマのメカニズムや、カラー剤の1剤と2剤(一般的に1剤は、酸化染料とアルカリ剤。2剤は過酸化水素。これを混ぜると酸化染料として発色する)の役割をきちんと説明できる美容師さんは少ないと思います。とくにアシスタントで説明できる子は滅多にいないんじゃないかな。

 

かずのすけ:そのあたりは、知識として持っておいてほしいですが…。

 

寺村:ですよね。なんで知ろうとしないのかわからないんです。何かわからないものを使うのは不安じゃないのって思うんですけれど。僕は高校時代、理系だったのですごく違和感を抱いています。なんで知りたがらないんだろうって。

 

かずのすけ:でも、美容師さんは忙しいから、日々の仕事を処理するのが精一杯で、そこまで頭を回す余裕がないのかもしれないですね。

 

寺村:生活するだけで精一杯っていう子もいます。

 

編集部:寺村さんはアシスタント時代、どうやって勉強していたんですか?

 

寺村:生活費を節約して、セミナーに行っていましたね。その費用を捻出するために、賞金がでるコンテストでは一生懸命頑張りました。勉強するためのお金が欲しかったんですよ。本もたくさん読んだんですけれど、僕らではたどり着けない領域もあるんですよね。たとえば、化学者が読むような本は理解できないんです。多分、大学で化学を学んだ人じゃないと読みこめないんじゃないかな。

 

かずのすけ:その通りだと思います。実は専門家同士でも見解が分かれることは日常茶飯事なんですよ。それを一般の人が見分けるなんてまず無理です。よく「論文に書いてあったから正しい」っていう人がいますけれど、先日ノーベル賞を受賞した本庶佑先生も、権威のある科学誌でさえ正しい内容は少ないとおっしゃっていました。だからこそ僕は、一般消費者の判断の助けになりたい。化学に関する専門家と一般消費者の間の情報格差はものすごく大きいので、その溝を埋めていきたいと思って居ます。美容師さんも化学知識に関して言えば一般消費者側なので、皆さんにも優れた情報を提供できればよいのですが。

 

>トリートメントが改善しているのは髪の「手触り」だけ

 

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