美容師5人が共同開発!ハンドクリーム「なめこさん」の“本気”具合を教えて!

4ヵ月で2,000個達成! 男性客へのアプローチ方法とは?

 

 

――その後2018年11月、遂に日本で発売となりますが、どのような販路で売り始めたのでしょうか?

 

裕輔さん:日本での発売にあたっては、まずは自分たちのサロンの直販のみではじめました。各店のスタッフを集めて決起会兼勉強会を開き、お医者さんにきてもらって“なめこさん”の成分についてレクチャーしてもらいました。それを毎日の営業でお客さまにご紹介していくという方法です。

 

 

山崎さん:発売当初から評判は上々。販売先は僕らのサロンだけなのですが、最初の4ヵ月で2,000個ほど売れました。クリスマスシーズンでもあったので、まとめ買いするお客さまも多かったです。原価が高いので広告費をかけられないことから、主な宣伝はインスタグラムのみ。ドバイをはじめ、海外で撮ったなめこさんの写真を定期的にあげていきました。そうしたら、知らないうちに『WWDビューティー』で紹介されていたんです。それも、サロンのお客さまが気づいて僕たちに教えてくれました。自分たちの範疇以外でも広まっていっていると驚きました。また、現在リピートしてくださるお客さまの中には、ハンドクリームというよりも美容液として使ってらっしゃる方もいて、名前や存在だけでなく、“なめこさん”のよさが伝わっていると感じています。

 

――インスタグラム以外に何か販促はしたのでしょうか。

 

修平さん: “キャバレーなめこ”というイベントを企画しました。販売を開始してから、なめこさんの評判はよかったものの、男性のお客さまにご購入いただくことはなかなか難しいと感じていました。女性は来店したときに試していただくと購入くださる方が多いのですが、男性は「いいよ。面倒くさいから」と…。そこで単純にハンドクリームを買ってもらうのではなく、「おもしろいイベントをするので来ませんか?」というアプローチで男性顧客を巻き込めないかと思ったんです。集客は1ヶ月ぐらい前から来店客を中心にお誘いして。イベントの内容は入り口でチャージ料となめこさんのハンドクリーム代を払うと、バニーガールが“なめこさん”を使ってハンドマッサージをしてくれるというもの(笑)。会場にシャンパンタワーならぬ“なめこタワー”も作りました。イベントは大成功で、会場だったバーで歴代最高売上を記録しました。“なめこさん”は手だけでなく、ひげ剃りのアフターケアにも使えるとアピールできたこともあり、今は男性のリピーターも増えています。

 

「キャバレーなめこ」のポスター

 

■発売から1年! なめこさんプロジェクトはどうなっていく?

 

 

――発売して約1年経ちましたが、売れ行きはいかがですか?

 

裕輔さん:予想を超えるとまではいかないですが、順調に販売数は伸びています。とはいえ各サロンのお客さまは1周した感じもあり、いよいよこれからは外に向かってのアピールが必要な時期だと思っています。大きな宣伝費はかけられませんが、SNSなどを通じて“なめこさん”のよさを発信していき、たくさんの人の役に立てるプロダクトに成長させていきたいと思っています。

 

山崎さん:自分たちのサロン以外にも広げていかないといけないというのは、直近の課題ですね。でも、一気に広げて“流行りモノ”にはしたくないんです。こだわりを持って作ったことを全国の美容師さんに知ってもらうためにも、業務用サイズを作ろうかという話もしています。

 

磯貝さん:いちオーナーとして美容室を経営しているだけでは得られなかった経験が、このプロジェクトでできました。例えば僕一人がハンドクリームを作ったら、絶対このデザインにならなかったと思うし、そこで“個”を一旦捨てて目標に向かうことは大きな学びになりました。この個性的な5人であればもっと楽しいことができると思うので、次の目標に向かって前に進んでいきたいですね。

 

なめこさんHP

http://www.namekosan.com/

 

 

プロフィール
チームなめこさん
阿佐ヶ谷ほか「Snowdrop」4店舗とネイルサロン「Cils」を経営する柴田裕輔さん、方南町「sola」と西荻窪「cielo」のオーナー磯貝勇治さん、三鷹市にて「ALBA」を営む山崎敦史さん、阿佐ヶ谷の中央線新世紀不良サロン「阿佐ヶ谷3349」とアングラ酒場「阿佐ヶ谷L AND」の柴田修平さん、そして大泉学園で「Tento-」を営み、メキシコへ出店準備中の山口晃さんの5人が集まり、2018年にプロジェクトがスタート。発起人の柴田裕輔さんを中心に、互いに得意分野を生かし開発を進めた。

 

 

(取材・文/若月美沙 撮影/リクエストQJナビDAILY編集部 撮影協力/Tento-)

 

 

  ライフマガジンの記事をもっと見る >>

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング