【完全保存版】時代は、どんな髪を求めているのか。全国で支持される“売れるメンズデザイン”全解剖。東京・銀座・福岡・名古屋・仙台。fifth発トレンド最前線
>#7 番外編
メンズパーマ戦略とマーケットイン経営

編集部:福岡エリアの話でも象徴的だったように、fifthでは中途入社からわずかな期間で結果を出すスタイリストが後を絶ちません。これほど短期スパンで成果が生まれる背景には、どのような理由があるのでしょうか。
木村:他のサロンと大きく違うのは、パーマ技術の“再現性”です。これは自信を持って言えますが、僕らは技術を難しく教えません。限りなくシンプルに、誰でも落とし込める形にしています。無駄な工程を徹底的に削ぎ落としているからこそ、技術が早く身につき、結果として売上にもつながりやすい。そこに、マーケティングの考え方を掛け算しているんです。
スタッフ体制で見ると、バックオフィスに加え、各店舗にはマーケティング担当が配置されています。マーケティング、スタイルづくりを担うクリエイティブ担当、そして店長とサロンスタッフ。それぞれが明確な役割を持ち、ヘアスタイル・クリエイティブ・マーケティングが掛け算で機能することで、売上が生まれる設計になっています。さらに、マーケットインを前提にオペレーションを徹底的に均一化。技術に関しても、「最速で、きちんと対価が生まれる」こと以外は設計していません。

堀:スタイリスト個人が発信するSNSスタイルももちろん大切ですが、fifthとして最も重視しているのは、「これこそがfifthを象徴する」という軸となるスタイルを明確に定義することです。そこが曖昧なまま各地で違う表現をしてしまうと、全国展開した際に必ずズレが生じる。だからこそ、ブランドの価値を体現する“象徴的なスタイル”を戦略的に設計することが、何より重要だと考えています。
そのうえで、店舗運営において欠かせないのが売上の確保と教育です。技術のクオリティを担保するため、幹部陣が全国の店舗を回り、直接指導を行っています。教育を最大の強みにしているからこそ、どのエリアでも「このスタイルをやりたい」と来てくださったお客さまに、必ず満足していただける仕上がりを提供できる。全国どこでもfifthのクオリティを約束できる体制をつくっています。
編集部:スタートメニューや基本技術が統一されているからこそ、誰が担当しても同じ再現性が生まれる。結果として、お客さまの感動やリピートにつながっていく、という構造なのですね。
今日はfifthのメンズパーマについて伺ってきましたが、年齢を重ね、いずれパーマを卒業していくお客さまもいると思います。幅広い年齢層を抱えるfifthとして、その先の“受け皿”となるブランド展開は考えているのでしょうか。

木村:実は、バーバー業態を立ち上げる構想もあります。いつでも動けるよう、準備自体は整えているんです。ただ、「メンズサロン」と言われる中で、fifthとしてその領域をどこまで広げるかについては、正直絶対こうする!と決めているわけではありません。今のfifthが一番大切にしているのは、今いるメンバーが豊かに働ける環境を作れるか、どれだけ一美容師として責任意識を高められるか、そして、より多くのお客さまを幸せにできるかということ。その軸はぶれていません。
一方で、バーバーとなると顧客セグメントは大きく変わり、求められる人材の属性も異なってきます。だからこそ、単純に広げるのではなく、「美容としてどう転換していくか」という視点で、慎重に考えているところです。

(文/リクエストQJ編集部 撮影/松林真幸 MIKAN inc)