「海外行け!」のワタロー vs 「日本でかませ!」の内田聡一郎 美容師ふたりの価値観バトル【前編】

ロンドンで見つけた“個性”と“評価軸”の違い「時間を守れない」ことが不利にならない世界線って!?

 

 

 

内田:日本では美容業界に限らず、先行きの不安からグローバルに目を向けている若者は多いじゃない。で、いざ行ってみて確かに最初の数カ月は刺激的かもしれない。でも、必ずいつかはルーティンになるわけで。しかも自分が外国人というハンディキャップがあるわけじゃない。ワタローが見たリアルなところを知りたいよね。

 

ワタロー:ロンドンで日本人美容師が働くのは、おすすめです。東京で有名サロンに入れなかったとか、給与面で不満があるとか、人間関係で悩んでいるって人は、海外のほうが成功できるかもしれない。ロンドンでは、“評価される人のタイプ”が違いますね。例えば、時間が守れない人とか(笑)。日本では、「時間守れないとか、スタートラインにも立てないよ」って言われがちだけど、実力さえあればそれが受け入れられている世界線があるんですよ。

 

 

内田:たしかに、日本は態度を重んじる傾向にあるよね。俺の中では、ワタローはエリート。王道の売れ方をしてきた美容師で、技術やセンスの裏付けもある。そういうのが自信になって評価されるのは、ロンドンでも日本でも変わらない気がするんだよね。逆に、日本で売れなかったけれど海外に行って売れたというのは、逃げられない環境を作ったことによって花開いたという結果論なんじゃない?

 

ワタロー:うーん。なんていうか、本当にヤバい人が多いんですよ。自分は原宿ではちょっと尖っていたかもしれませんが、ロンドンに行ったら超ノーマルだった。オールマイティーに何でもできることが武器にならなかったんですよ。一方で、一つのことしかできないけれど、めっちゃかっこいい人に支持されたり評価されている人がいて、僕はそれが本当に悔しかったんですよね。

 

 

内田:なるほどね。突き抜けた人のなかで自分には個性がないって感じたんだ。

 

ワタロー:これしかできない、でもそれを研ぎ澄ませてる、みたいな人がかっこいいんですよね。

 

内田:多種多様な人がいる中で、「ヤバいやつと思われないとナメられる」みたいなね。そういうところに身を置くことで否応なく開花することもあるかもしれないね。

 

>統制か自由か? 日本の教育とロンドンでの気づきを得て芽生えた出店願望

 

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