逆境を照らす一言が、韓国ヘアのスターを生み出した。 uni 長田タカラのコトダマ
uniの経営理念「ともに成長し、ともに成功する」
僕は25歳のときに、韓国ヘアのサロン「uni」を共同代表であり、経営の師匠である佐久間(ファイブスターグループ代表 佐久間正之氏)と立ち上げました。当時はまだなかった本格的な韓国ヘアを打ち出すことで、美容業界にプラスの影響を与えられると考えたからです。
一方で、僕は経営に関してはまだ視野が狭かった部分もあり、美容業界のオーナーはなんとなく利益を独占しているようなイメージがありました。ところが、共同代表の佐久間は違ったんです。
「利益の半分を経営者がとってしまったら、みんなに分配できる利益が少なくなる。でも会社が大きくなれば、自分が得られる利益が全体の数十分の1であっても大きなものになるし、みんなに還元できる。チーム全体が成長し、その成長が利益につながる仕組みをつくることが大事なんだ」と。
僕たちの会社の理念は「ともに成長し、ともに成功する」です。もとになったのは慶應義塾の草創期からの精神として知られている「半学半教」という言葉。教える者と学ぶ者を区別せず、学んだ者が後で学ぼうとする者を教えるという考え方です。ともに学び、成長し、成功を分かち合う。これが僕たちの目指す世界観です。
ちなみに、「uni」という名前には、団結の意味合いを含めています。50州が集まるUSA(United States of America)のように、魅力的な仲間が集まる、連合した国のような環境を作りたい。スタープレイヤーたちが集まって、みんなで成長していく環境にしたいのです。
西郷隆盛の漢詩「耐雪梅花麗」
西郷隆盛の漢詩の一節に「耐雪梅花麗(ゆきにたえてばいかうるわし)」という言葉があります。厳しい雪に耐えてこそ、梅の花が美しく咲く。下積み時代がある美容師にぴったりの言葉だと思っています。どんなに辛いときでも、必ず花が咲くと信じて努力すれば、冬の時期こそ成長の糧になるし、厳しい冬を乗り越えてこそ、美しい花が咲く。辛い境遇に置かれている美容師さんにこそ知ってほしい言葉です。

- プロフィール
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uni代表/長田タカラ
東京都出身。都内の美容専門学校を卒業後、有名店に入社。最速トップスタイリストデビューを果たすなど、伝説を残して退社。2021年11月、韓国ヘアを発信する『uni』を表参道にオープン。《韓国最大規模メーカー》amos 公式グローバルアンバサダー、『美容のミシュラン』韓国ヘアのカリスマ認定美容師。臨店講習・セミナーの講師としても活躍中。
Instagaram:@takaragram_
(文/外山武史 撮影/菊池麻美)