偉人の名言は、美容師と経営者の未来を照らす羅針盤だ Magico上原潤一郎のコトダマ

シリコンバレーのカルチャー「Yes And」

 

 

シリコンバレーには “Yes And”という考え方があります。これはまさに「コトダマ」だと感じています。かつての美容師業界では「0.2秒で『はい』と返事しろ」なんていう昭和的な教えがありましたが、それとは違い、“Yes And”とは相手の意見を肯定したうえで、自分のアイデアを加えていく発想です。僕はこの“否定のないコミュニケーション”を社内でも重視し、社是にも取り入れています。

 

ただ、以前の僕は“正義の剣”を振りかざすように、「これが正しい」「こうあるべき」と一方的に語ってしまうことが多くありました。でも、それでは相手を否定することになり、結局なにも伝わらない。肯定があるからこそ、新しいことに挑戦する人が育ち、結果としてチームや店舗が成長していく。特に美容業界は、楽しくて自由な空気を求めて人が集まる場所。だからこそ、否定的な雰囲気があること自体がナンセンスなんですよね。

 

 

そもそも、否定的な美容師さんは売れないと思うんです。たとえばお客さまが「こういうスタイルにしたい」と言ったとき、「それは似合いません」と否定するのではなく、「いいですね、素敵です。こういうアレンジもおすすめですよ」と付け加えて提案できるのが、センスや個性の出しどころ。そうした“否定のない文化”を育てることが、強くしなやかな組織づくりにつながると実感しています。

 

フランクリン・コヴィーの「相乗効果を発揮する」

 

 

感銘を受けた本といえば、やはりフランクリン・コヴィー氏の『7つの習慣』が真っ先に思い浮かびます。まさにバイブルのような存在で、今でも読むたびに新たな気づきがあります。言葉が自然と胸に入り、直感的に納得できる感覚があるんです。経営者仲間にも積極的に薦めています。

 

なかでも強く影響を受けたのが、「相乗効果を発揮する(シナジーを生み出す)」という考え方。僕自身、仲間と協業し、シナジーを繰り返し生み出す姿勢を常に意識していますが、それがこの本で理論として体系的に示されていて、「これだ」と深く腑に落ちました。

 

 

もうひとつ印象的だったのが、「Win-Winを考える」という習慣です。自分だけでなく相手にもメリットのある関係を築くことで、長期的で強固な信頼関係が生まれる。この考え方は、ビジネスにも人間関係にも通じる、本質的なものだと思います。僕自身の価値観や行動の指針にも大きな影響を与えてくれました。

 

この本はかなりのボリュームがありますが、不思議とその時々の自分に必要な言葉がちゃんと書かれている気がするんです。言い換えれば、“良い習慣を身につけるための教科書”。だからこそ、何度でも読み返したくなるし、読むたびに「習慣って大事だな」と実感します。

 

>LINE森川氏の「シンプルに考える」

 

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