夢は遠く、目標は近く──指名料55万 世界一の美容師・京極琉が語る挑戦のコトダマ

美容師は“言葉の力”でお客さまを変える仕事

 

 

僕は今指名料55万円で週1回サロンワークをしています。お客さまは富裕層の方もいますし、この時のためにと頑張って貯金してきてくださる普通のOLさんもいます。指名料55万円で施術代も入れると150万から250万ぐらいになりますが、それでも指名してきてくださるお客さまは人生を変えにきいるんです。

 

美容師という仕事は、髪を切ってデザインを作るだけの仕事ではありません。僕はずっと、お客さまの人生そのものを変えることができる仕事だと思っています。美容室という空間は、お客さまが心を開いて自分の悩みや夢を語れる場所でもあります。だからこそ、どんな言葉をかけるかで、その人の未来さえ変えてしまうほどの大きな力があるんです。

 

言葉には魔法のような力があります。施術中やカウンセリングの時、ほんの一言が、お客さまの心を救ったり、勇気を与えたりすることがあるんです。逆に、たった一言でお客さまを深く傷つけてしまうこともある。だから僕は、美容師は「技術で感じろ」だけじゃなく、言葉でも人を幸せにできる存在だと思っています。

 

 

これまで僕自身も、美容師として、言葉に支えられてきました。だからこそ、今度は僕が美容師として、お客さまに言葉の力を届ける番だと思っています。お客さまの心に寄り添い、その人の人生を少しでも明るくできるように、これからも言葉の力を大切にしていきたいです。

 

夢は“死んでから達成するもの”――だからこそ、ずっと挑戦できる

 

 

僕の夢は、美容の歴史に名を残す存在になること。でも、夢は生きている間には達成しないほうがいいと考えています。簡単に達成できてしまう夢なら、達成したとたんに燃え尽きてしまう。夢は死んでから達成するもの。だからこそ、僕はこの先もずっと挑戦し続けられるんです。

 

その夢に向かって進むために、目標を立てて、一つずつクリアしていく。夢を遠くに置き、目標を近くに置く。それが挑戦し続けるための秘訣です。僕はこのスタイルで、美容師として成長し続けたいと思っています。

 

プロフィール
Salon Ryu
京極 琉(きょうごく りゅう)

上海出身。12歳で母親と共に訪日し、日本の美容専門学校を卒業。美容師となり、2016年に渡英。約半年の留学でVidal Sassoon Academy, TONI & GUY Academy, SANRIZZ Academyの3校を卒業し、Vogue Italiaをはじめ多数ファッション雑誌に作品が掲載される。2017年7月、21歳で東京・赤坂に「Salon Ryu」をオープン。翌年、ロンドンでのInternational Visionary Award(Cut & Color部門)でグランプリを獲得し、世界一の美容師の称号を手にした。現在はサロンワークの傍ら、サロン経営、セミナー活動、YouTube、商品開発、コンサル、アーティスト活動など多岐にわたって活躍中。
Instagram:@ryuhairartist

 

(文/外山武史  撮影/菊池麻美)

 

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