今でも背中を押してくれる、感情を揺さぶられた言葉たち。「限界のその先へ、僕はまだ何色にもなれる」――フリーランス美容師sotaのコトダマ

“協力したい”を促す「よかったら、応援してくれませんか?」

 

 

これは、僕がお客さまにかけている言葉です。いろんな美容師さんから、DMで「どうやってお客さまに動画に出てもらっているんですか?」とよく質問されるんですけど、僕は「いま撮影を頑張っているので、よかったら協力してくれませんか?」と伝えて、応援してもらえるように働きかけているんです。そうすると、「私でよければ、ぜひ」と動画撮影に協力してくれます。中には、動画に出ることを最初から期待して来てくれるお客さまもいますよ。普段から頑張っていればSNSで伝わるので、「最近、頑張ってますね」と声をかけてくれる人もいます。

 

ちなみに、僕が発信で意識しているのは、「敷居を下げること」です。世界観を重視して可愛いモデルさんの作品撮りを中心に投稿していたときは、お客さまに「敷居が高い」と思われていて、「私なんかが行っていいんですか?」と言われることがあったんですが、最近は「楽しそうだから予約してみました」とか、「男性の美容師が苦手なんですけど、sotaさんなら大丈夫だと思いました」と言ってくれる方が多いんですよ。

 

 

母の言葉「3人の中で、誰か美容師になってくれたら嬉しいな」

 

 

僕の母は父と結婚するまで美容師をしていたそうなのですが、スタイリストデビューする前に仕事をやめて、3人の子育てに専念してくれました。センスもよくて、仕事を続けていたらきっといい美容師になっていただろうなと思うんですが、それが叶わなかったので子供に自分の夢を託したかったんでしょうね。「誰か一人は美容師になってくれたら嬉しいな」と、いつも言っていました。僕は小さい頃からその言葉を聞くたびに「母の夢を実現してあげたいな」と思っていましたし、自分自身も気になっていたくせ毛が美容室に行ったことで好きになれたので、たくさんの人に同じ気持ちを味わってほしくて美容師になりました。結果的に母の夢と自分の夢を両方叶えることができるという形になりましたが、母の言葉には大きな力があったなと思います。

 

 

湧き上がる想い「自分はもっとできる気がする」

 

 

サロンワークはマンツーマン施術なので、1年前は「売上はもう天井かな」と限界を感じていました。ところが、新しく”美髪矯正“を学んでメニューに取り入れたことで、今年はなんと月売上が50〜60万アップ。その要因は2つあります。インスタが成功して新規が増え、予約が取りづらくなったので価格を上げたこと。そして美髪矯正のメニューが予想以上にヒットし、単価がびっくりするぐらい上がったこと。以前はアレンジで集客していたんですが、時代に合わせて「顔まわりカット」、「美髪矯正」と打ち出しを変えてきて、その変化が自分のパッションを停滞させない秘訣にもなっています。磯田さんの言葉「何色でも何者にもなれるよ」が、根底にあるんでしょうね。お客さまが僕の施術で喜んでくれる。その瞬間瞬間がすごくハッピーです。「もっとできる気がする」…そんな前向きな気持ちで、これからも挑戦を続けていきます。

 

プロフィール
sota(ソウタ)/フリーランス美容師&ヘアメイク SALOWIN原宿suite店

島根県松江市出身。高津理容美容専門学校卒業後、上京して銀座のサロンに就職。その後、都内有名店を複数経て、現在はフリーランスとして活躍中。女性のニーズを汲んだ柔らかい雰囲気のスタイルと、会うだけで元気になれる明るく中性的な接客が人気を集めている。アパレルのルックや広告などのヘアメイクとしても活動中。
Instagram: @sota_nakai

(文/織田みゆき 撮影/菊池麻美)

 

 

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