迷っても、不安でも。言葉に支えられて、ここまで来られた。 表参道の人気サロンNIMO.代表 和田かな子のコトダマ

「一歩引いてみてみろ、デザインは足し引き」

 

 

私にはクリエイティブの楽しさと本質を教えてくれたもう一人の恩師が藤巻さん(現:romp代表 藤巻巡日人氏)です。私は昔から作品づくりが大好きでした。服もヘアもメイクも、好きなものを全部詰め込みたくて。「おしゃれなものを重ねれば、おしゃれになる」と信じていたんですよね。

 

そんな私に、その恩師が言ったんです。

 

「デザインをもう一歩引いて見てごらん。足すよりも、引いたときに本質が見えてくるから」

 

言われたその瞬間は意味がわからなかったけれど、ある日、恩師の撮影に同行して、その言葉の意味を知りました。光の角度、髪の流れ、表情のバランス……一つひとつに無駄がなく、余白があるのに完璧。そこに、圧倒的な美しさがありました。

 

 

「自分の好きを盛ること」しか知らなかった私にとって、引き算という感覚は衝撃でした。でもその日を境に、私のものづくりに対する姿勢も、人との向き合い方も、少しずつ変わりました。作品づくりでも、接客でも、そして生き方そのものでも、一歩下がって全体を見渡せるようになったんです。

 

「本当に強い人は、人を信じて任せられる人だよ」

 

 

独立したばかりの頃、正直、全然うまくいきませんでした。お店を立ち上げたものの、思うようにお客さまも増えず、スタッフの気持ちもバラバラになっていく。

 

「どうしたらいいんだろう」と思っても、誰にも相談できず、ずっと一人で抱え込んでいました。

 

そんな時に出会ったのが、デジタルサロン協会の森越道大さんでした。初めてお話ししたとき、いきなり聞かれたんです。

 

「かな子ちゃんの強みって、何?」

 

すぐには答えられませんでした。ボブもカラーも得意。でも、何が一番かって言われると、出てこない。その時、私は自分の良さすら見えなくなっていたんだと思います。

 

少し沈黙してから、私は言いました。「……性格だけはいいと思います」って。すると森越さんは笑って、「それでいいじゃん。それが君の強みなんだよ」って言ってくれました。

 

 

そこから何度も話すうちに、経営者として必要なことを一つひとつ教えてもらいました。中でも忘れられないのが、この言葉です。

 

「何でも自分でやる人が成功者じゃない。本当に強い人は、人を信じて任せられる人だよ」

 

その瞬間、涙が出そうになりました。私はずっと、「自分がやらなきゃ」「自分が頑張らなきゃ」って思っていたけど、それが逆にチームの成長を止めていたんです。

 

 

そこから考え方が180度変わりました。私がやるではなく、みんなでやる。信じて任せることで、人は想像以上に成長する。

 

森越さんの言葉は、今も私の経営の軸になっています。人を信じる勇気こそ、経営者の証。そう教えてくれたあの日の一言を、今でも胸に刻んでいます。

 

>「誰がなんと言おうと成功すれば、それが正解だよ」

 

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