人生の岐路で背中を押したのは、いつも誰かの言葉だった。 髪質改善Period.代表 ライコウのコトダマ

「恩は返すものではなく、バトンを繋いでいくもの」ウソみたいな融資話

 

 

独立前、資金繰りは本当にギリギリでした。赤坂に来てから10カ月間での貯金300万円、融資1000万円。それでも初期費用は足りない。そんなとき、まだ会ったことのない大阪のサロンオーナーさんが言ってくださいました。

 

「僕、貸しますよ」

 

さらに80万円のシャンプー台を「贈りますよ」と、開業祝いだと言って送ってくれ、利息なしで300万円を貸してくれたんです。「余裕が出たら返してもらえれば良いので。」と、あまりに現実離れした出来事で、感謝してもしきれませんでした。

僕にはその方の見返りを求めない姿勢がこう言っているように感じ、学びました。

「恩を返されることを求めない。恩返しをするのではなく、次の誰かにバトンを渡す」

のだと。

 

 

それ以来、僕は、自分が受け取った“想い”からの行動を“次につなぐ”ことを意識しています。商品づくり、発信、技術提供。すべては“恩繋ぎ”。受け取ったエネルギーを別のものに変換して、また渡していく。恩を循環させるためのアクションです。

 

スタッフの「一緒にやりたい。」で言葉の力を実感

 

 

独立を迷っていたとき、最後の一押しをしてくれたのは、前職で一緒に働いていたスタッフのひと言でした。

 

普段から自分の意見をしっかり持つ子で、そのぶん信頼も厚かった。その子が真っ直ぐな目で告げたんです。

 

「ライコウさんと一緒にやりたいと思っています。」

 

その瞬間、怖さも迷いも一気に吹き飛びました。“ああ、この道でいいんだ” と心の底から思えた言葉でした。

 

結果として、当時のスタッフ5人のうち4人が『Period.』に加わってくれることに。

言葉の力を、これほど強く実感した瞬間はありません。

 

プロフィール
髪質改善 Period. グループ代表
ライコウ(新井 康平)

1993年、神奈川県生まれ。生物化学を専攻していた学生時代に美容師への転身を決意。都内美容室で働きながら通信で美容師免許を取得する。27歳で赤坂の有名店に転職し、店長などの要職を経て、2022年に赤坂に髪質改善サロン『Period.』をオープン。翌年3月に蒲田店を、2024年11月に松阪店を出店。仲間とメーカーを起業し、オンラインサロン『美容師ギルドジャパン』を運営。2025年夏からはメーカー、ディーラーの力を借りず美容師主体で全国12都市を巡る「ブリーチ毛矯正セミナー全国ツアー2025」を開催。

Instagram:@fixer_rykou

 

(文/外山 武史  撮影/菊池 麻美)

 

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