早く死にたいと思っていた16歳が、 「人のために生きたい」と思えるようになるまで Eye Universe代表 森越道大さんのコトダマ

「髪を切ることだけが、人を喜ばせることじゃない」

 

 

スタイリストとして働き続ける中で、売上は少しずつ伸びていきました。だいたい月300万〜400万円くらい。ただ、そのラインをなかなか超えられずにいました。そんなとき、サロンの代表から「1000万円を目指せ。それだけ売ったら、給料は半分出すから」と言われたんです。

 

目標は明確でしたが、正直、やり方がまったくわからなかった。400万から1000万へ、どうやって伸ばせばいいのか。僕はどちらかというと数を回すタイプではなく、一人ひとりとちゃんと向き合った仕事をしたいと思っていました。丁寧にカウンセリングをして、悩みを聞き、寄り添う。それ以上の方法が想像できなかったんです。

 

 

そんなときに助言をくれたのが、渡井タケトさん(現Watai自由が丘)でした。今でも僕にとっては師匠のような存在です。渡井さんは当時すでに月600万円ほどを売り上げていて、それをカット中心ではなく、トリートメントや髪質改善でつくっていました。その方に、ふとこう言われたんです。

 

「髪を切ることだけが、人を喜ばせることじゃないよ。」

 

この一言は、本当に衝撃でした。美容師として売上をつくるには、まずカット技術を磨くことが何より大切。その考え自体は、今も間違っていないと思っています。ただ当時の私は、「カットさえできればそれで十分」「それ以外の価値は二の次」と、少し視野が狭くなっていたのかもしれません。けれどその言葉で、これまでの価値観が一気に崩れました。お客さまが求めているのは、髪を切ることそのものではない。悩みが解決すること、髪が扱いやすくなること、気持ちが前向きになること。その手段は、必ずしもカットだけではありません。

 

この言葉をきっかけに、髪質改善やトリートメントに本気で向き合い、チームとして価値を届ける仕組みをつくりました。その結果、売上は自然と伸び、気づけば1000万円を超えていました。この経験は、僕にとって大きな転換点でした。

 

「経営とは、自分より優秀な人の力を、自分の力のように行使すること」

 

 

僕はもともと、カリスマを目指して美容師を始めました。自分が一番になりたい。技術でも売上でも、誰にも負けたくない。正直、スタート地点はかなりエゴの強い人間だったと思います。でも、チームで勝つことを知り、価値を広げることに面白さを感じるようになり、経営という立場に立った今、改めて突きつけられた問いがありました。

 

「結局、経営ってなんなんだ」

 

そんなときに出会ったのが、アチーブメント株式会社の青木社長でした。ある日ふと、「森越くん、経営って何だと思う?」と聞かれ、言葉に詰まった僕に、こう続けたんです。

 

「経営とは、自分より優秀な人の力を、自分の力のように行使することなんだよ。」

 

この一言は、今でも強く心に残っています。その瞬間、これまでの自分の歩みが一本の線でつながった気がしました。一番になりたかった過去。そこからチームで価値をつくる面白さを知り、今は自分より優秀な人たちに囲まれて仕事をしている。

 

 

気づけば僕の周りには、デジタル、経営、組織づくりなど、どの分野でも「これは敵わない」と思う人たちが集まってくれています。だからこそ、今ははっきり言えます。リーダーは一番でなくていい。自分より優秀な人の力を信じ、束ね、世の中のために使う。その先に、本当に大きな価値が生まれるのだと思います。

 

この考え方は、今取り組んでいるAI・IT事業にもつながっています。「どうすれば、みんなで勝てるか」。その問いの先に、今の僕の経営があります。

 

>「あなたがいたおかげで」

 

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