こだわらないことが、僕のこだわり -PEEK-A-BOO代表 川島文夫の習慣-【後編】

 

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最終的には、ミニマムに行きつくんだと思う

 

僕も還暦を過ぎましたので、こだわらないのが、こだわりになってきています。言い換えるとしたら、“Comfortable(快適)”なものを好むようになりました。

 

例えば、手入れが必要なビンテージのロレックスとか、何十万もするビンテージジーンズとか、ポルシェの自転車とか、無理して付き合うようなモノはいらなくなってくるんです。排気量の大きなスポーツカーは、高速道路で走っていたらカッコいいかもしれないけど、街で大きな音を轟かせて目立っていたってカッコ悪いでしょう。そうやってモノで自己主張しようとする人は、中身がないんですよ。

 

僕の知り合いに有名な画家がいるんですけど、大勢いる弟子たちが帰ったあと、広いアトリエに一人でいると、冬は寒くてしょうがないんだそう。で、その隣にある3畳の部屋がすごく居心地がいいので、すぐにそっちに移動する。横になるのには十分な広さだし、お菓子をつまみながらテレビを見られるし、温かいし…人は大きくてセンスのいい家に憧れたりするけど、偉大な絵描きの先生だって狭い方がいいって言っているんですよ。

 

僕もね、それに影響されたわけじゃないけど、最近は寝るのに2畳あれば十分なんじゃないかって思うようになってきました。やっぱり、人間って最終的にはいろんなこだわりを脱ぎ捨てていって、いずれミニマムに行きつくんじゃないかな。だから、こだわらないことが、今の僕のこだわりですね。

 

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川島さんの習慣まとめ

  1. 1.自転車通勤で「寄り道」をすると「発見」があり「冒険」になる。
  2. 2.肌で季節を感じると、美容師はよりクリエイティブになれる。
  3. 3.「いいものはいい」と素直に認めて、取り入れる。
  4. 4.あくまで主役はモノではなく自分。モノで自己主張しようとしない。

 

プロフィール
PEEK-A-BOO

代表/川島文夫(かわしまふみお)

東京都出身、高山美容専門学校卒業。カナダ・トロントで海外美容師生活をスタート。その後ロンドンに渡ってヴィダル・サルーンに参加。帰国後、1977年に「PEEK-A-BOO」をオープン。現在は原宿・青山エリアに5店舗、池袋エリアに1店舗、銀座エリアに2店舗を構えている。※2015年2月4日「GINZA PEEK-A-BOO 中央通り」OPEN

(取材/文 外山 武史 撮影/菊池 麻美)

 

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