書いて、撮って、旅をして。「心を整える」美容師の自己管理術 -CASI 並木一樹の習慣 後編-
ハサミを握る瞬間もSNSで感性を磨く合間も、感情の波に飲まれない。その秘訣は誰でも今日から試せる“整え方”にありました。中目黒に位置するこだわりの隠れ家サロンCASI(カシ)代表であり、Youtubeでも人気を集める並木一樹(なみきかずき)さんが明かす、仕事と私生活を軽やかに彩るマイルールとは。多面的な役割をこなす裏側には、タイムマネジメントを超えた“自分調律”が隠されているとか。静けさを味方にする朝の過ごし方から休日に訪れる“聖地”まで、習慣にまつわる話を聞きました。インタビューは前後編の2回です。まだの方は前編とあわせてご覧ください。
自分と向き合う「ジャーナル習慣」
最近、毎週日曜の夜に“1週間を振り返るノート”を書くようになりました。書いているのは、たった3つの項目。「今週できたこと」「できなくて改善すべきこと」「来週集中すべきこと」。たったそれだけなんですが、これが想像以上に自分の“軸”を整えてくれるんです。
頭の中でなんとなく感じていたモヤモヤが、言葉にすることで明確になって、「じゃあ、どう動けばいいか」が自然と見えてくるようになる。人間って、やるべきことも、できたことも、すぐ忘れてしまうものだと思うんですよね。だからこそ、ちゃんと紙に書いて“可視化”することで、次の一歩がブレにくくなると思います。
正直、毎週ちゃんと書けているわけではありません。気力がわかない週もあるし、サボってしまうこともあります。でも、それでもいいと思っていて。「また戻ればいい」という気持ちがあるから続けられている。自分と向き合う時間を“習慣”として持てていることが、大きな意味を持っていると感じています。
このジャーナルを書いていて感じるのは、自己肯定感の変化です。ほんの些細なことでも、「できたこと」を言語化すると、自分をちょっとだけ認められるようになる。たとえば「今週は6日早起きできた」「ジムに再び行けた」など、小さな実績でも書くことで「前進できている」という感覚が生まれるんです。そして同時に、「できなかったこと」や「改善したいこと」も整理される。書いているうちに、頭の中が整理され、心まで落ち着いていくような感覚があります。書くことで“整う”んです。