旅行はかたくななルーティンを打破するからこそ楽しい!―Cocoon SAKURAの習慣 後編―
毎日のルーティン、「仕事のため」から「生活のため」へ

これまで私は、「美容師として最高 という気持ちで、自分を律してきました。日々の過ごし方、体の管理、メンタルの整え方も、全部“仕事のため”だった。
でもこれまでの様々な経験と、旅行での出会い猫との出会いから、その優先順位が少し変わった気がしています。それまでは、仕事のための生活だったけれど、今は生活が主役で仕事はその一部という考え方もありなんじゃないかと考えることができるようになりました。これは今までの私にはなかった視点でした。
特に印象的だったのが、ロンドンの街の“ゆるさ”。フラワーマーケットで花を選ぶ人々、広場でくつろぐ家族、ただ歩くだけの時間さえも幸せそうに見えた。後輩の美容師さんは、私と同じような状況に身を置いて働いていたので、あえてそういったスローリーな雰囲気のところに連れていってくれたんだと思います。

東京に戻ったら、もちろんロンドンの人たちみたいな休日をそのまま過ごすことはできないですよね。だから、その“生活が主役”を意識し始めた自分がどういったルーティンを作っていくのか、これからよく観察していきたいです。たとえば、「毎日22時に就寝する」ことを求めるかもしれないし、「今日はもうスマホを見ない」ことを求めるかもしれない。いろいろやってみて、そのときに自分がどう感じたのかを大切にしながら、“生活を楽しむ”方向に舵を切っていきたい。それが今の私にとっての自己管理なんです。

ルーティンや運動って「やったほうがいい」って言われがちだけど、気をつけないと「やらなきゃ」になってしまう。大切なのは“その後の自分の気持ち”なんですよね。
自分も「やらなきゃ」「まだできてない」って焦ってしまうことがあるけど、そうじゃなくて、「何のためにやるのか」をちゃんと見つめたい。その時の自分の体力や、使える時間だって日々変わるものだから、習慣ももっと柔軟でいいはず。
“これをしたから大丈夫”って思えるような、おまじないのような存在であってほしい。そしてそのおまじないが、プレッシャーじゃなくて、自分を心地よくするためのものなら、それで十分だと思うんです。
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