旅行はかたくななルーティンを打破するからこそ楽しい!―Cocoon SAKURAの習慣 後編―

「三歩進んで二歩下がる」は地固めの意味も。40代、変化しながら進む

 

 

年齢を重ねると、“頑張る”ことの質も変わってきますよね。私もずっと「100%でやらなきゃ」「全力で応えなきゃ」って思ってやってきたけれど、年々その100%のハードルは上がっていくし、時代によってはその全力投球の感じがよく映るのか、果たして後輩たちが憧れる姿なのかと顧みることもあって、今は少しリラックスしながら取り組めるようになりたいと考えるようになりました。

 

あるお客さまが言ってくれた「三歩進んで、二歩下がるって大事だよね」っていう言葉が、最近はすごくしっくりきているんですよ。20〜30代の頃は、どんどん前に進んでいるような感覚があった。それが40代になると、自分がちょっと止まっているように感じたり、逆に後退しているんじゃないかと不安になったりする。

でもそれって、ただ二歩下がったところで“地を固めている”だけかもしれない。下がっているように見えても、ちゃんと自分の足元を整えている。そう思えるようになってから、気持ちがすごくラクになりました。

 

 

自分で言うのも変な話ですが、私はとても真面目な性格で、何でも――とくに仕事は一生懸命やりすぎてしまうところがあります。だからこそ、生活そのものを楽しむことや、家族や猫と過ごす余白の時間にも価値があると気づけたのは、大きな成長だったと思います。

自分を整えることは、きっとずっと続いていくけれど、その“整え方”は、変わっていってもいい。今の自分に合った方法を見つけながら、日々を楽しんでいけたらと思っています。

 

プロフィール
Cocoon表参道
ディレクター/SAKURA

都内1店舗を経て、「Cocoon」のオープニングスタッフとして参加。現在ディレクターを務める。お客さま一人一人の素材を見極めるノンブローカットで、幅広い年齢層のお客さまに頼りにされている。JHA新人賞ノミネート。美容師としての技術、センスと共にそのファッションセンスでも注目を集めている。

 

(文/須川奈津江  撮影/宮崎洋)

 

 

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