サロンの外に出ることで感性を耕す。アートと自然が生む発想の源 -Liner代表 伊藤恵一の習慣-【後編】

旅と人との時間が“人間性”を育てる

 

 

旅行も好きなんですよ。といっても、海外とか長期の旅行じゃなくて、月に1回くらい、1泊2日の近場。館山とか熱海とか、新潟とか。サウナがあって、海が見えて、食事が美味しい宿を選んで、「何もしない時間」を過ごすのが理想です。

 

先日、新潟に行ったときは、現代アートの展示を見て、帰りに温泉に入って、日本酒を少し飲んで。一日中、頭の中が空っぽになった感覚がありました。空っぽになると、不思議と新しいアイデアが出てくる。やっぱり外に出るって大事なんですよね。

 

旅をしていると、感性が動くというか、自分の“人間味”が戻ってくる気がします。僕は美容師という仕事につい完璧さを求めて窮屈になりがちなんですけど、旅先では心の余白ができる。それに、人間的な魅力って、経験からしか生まれないと思うんですよ。だからこそ、外に出て心の余裕をつくり、自分の世界を広げることが大事なんですよね。

 

 

最近は“ご褒美旅”みたいな感じで、サウナを目的に行くことも増えました。そこでしっかりととのったあと、美味しいご飯を食べる。そのシンプルな流れの中で、心が整っていくんです。


ずっと同じ場所にいると、感性が固まる気がする。景色が変わるだけで、発想も変わると思います。旅する時間をこれからも大事にしていきたいです。

 

プロフィール
Liner 代表/伊藤 恵一(いとう・けいいち)

神奈川県出身。2003年にSHIMAへ入社し、2007年スタイリストデビュー。以降、ディレクター、エグゼクティブスタイリストなどの役職を歴任し、雑誌や撮影などのメディアを通じて独自のクリエイションを発信。2022年2月、SHIMA時代の同期・大前憲一氏とともにLiner(ライナー)を設立。「線を引く=新しい美を創造する」という理念のもと、時代感と個性を共存させたヘアデザインを提案している。

 

(文/外山武史  撮影/菊池麻美)

 

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