バレエで整い、旅でほどける。“趣味”がくれた第二の呼吸で「自分を整える」-SCREEN GINZA MAISON. 橋本佳奈の習慣-【前編】
大人になって再開した「バレエ」がくれたもの

この10年、私が打ち込んできたのはサロンワーク、コンテスト、撮影、セミナー……。もちろん好きで続けてきたことですが、仕事に偏っていると感じていたんです。
そんな思いもあり、「30歳から新しい趣味を持つ」と決めました。今まで休日もほとんど美容のことしかしていなかったからです。
そこで再開したのが、幼少期に6〜7年習っていたバレエ。大人になってからのバレエは、ただ踊るだけではなく「体のどこを使うか」「重心はどこに置くか」といった構造を頭で理解して動かす必要があります。子どもの頃よりも頭を使うし、できないことがあると悔しい。

美容の世界では、技術的に「できない」ことにぶつかることが少なくなっている今、バレエのレッスンで味わうあの悔しさはむしろ新鮮で、心地よい刺激になります。
鏡張りのスタジオで自分の体や表情と向き合う時間は、自然と仕事にも還元されていきます。姿勢や所作への意識が研ぎ澄まされるのはもちろん、実は「表情管理」もバレエで鍛えられるんです。
バランスを取る瞬間つい眉間にシワが寄ってしまう……そんな自分に気づき、整え直す力は、鏡の前で働く美容師に不可欠なのかもしれません。