biancaで「進化する人」を育てるため、自ら学び進化し続ける -bianca 中井 宏昭さんの習慣 後編-

「目の前のお客さまに喜んでいただく」という「原点」に立ち返る

 

 

この先、世界がどう変わるのか、その手がかりを求めて自分なりに情報を集めています。その中でも一番、予測を的中させている情報ソースは、デロイトトーマツグループや、マッキンゼー・アンド・カンパニーなど、大手コンサルティング会社のオウンドメディアでした。

 

驚くことに3月の段階で、コロナの影響で世界がどう変わるのか見解や対策を述べており、そこに書いてあることと同じような展開を見せています。本来、大手コンサルの分析情報や戦略をもとに経営の舵取りをしているのは大手企業で、僕らのような街のヘアサロンには無縁と思われるかもしれません。でも僕は、これから先のことを考えることが好きだし、予想に基づいて、自分たちなりに行動を変化させていきたいのです。

 

 

今回のコロナウィルスの影響で見えてきたように、過度に都市部中心の社会はリスクが大きい気がします。実際、テレワークによって仕事が分散してリスクを回避する動きが広まってます。僕らのやっているヘアサロンというビジネスの主なところは、お客さまにきていただいてはじめて成立します。新型コロナウィルスなどのように外出が制限される危機が起こったとき、それでも遠方に出向いてまでサービスを受ける人は少数派です。自分の家を中心とした半径から近いところにいいサロンがあれば、1時間かけてまで行きません。

 

地域に根付いて、街の人たちのお役に立っているサロンであれば回復も早いです。だから僕は繰り返し伝えています。「自分たちは必要とされる人、必要とされるサロンであろう」と。日々の行動やオペレーションを見直し、目の前にいるお客さまに喜んでもらうということから全力を注いでいます。

 

人の進化をサポートすることが、僕の生きがい

 

 

僕は人の成長、人の進化をサポートすることが大好きです。これはもう習慣を超えて生きがいと言っていいかもしれません。時代の変化を捉えて、新しい時代に必要となる人をイメージして、確実に成果が出るスタッフへと導くことを常々考えています。そして、その時代ごとに目立った人材を生み出すことによって、戦略的に業界に対しても挑んでいるのです。

 

ただし、biancaでは都内のヘアサロンと同じ人づくりをしていてはダメ。スキルや価値観において「独自性」があることが大切だと考えています。そうした素養を持っているスタッフを採用するために学生の段階から注意深くウォッチしているんですよ。例えば、甲子園の常連校は入ってからの育成もすごいですが、すでに素質のある中学生をスカウトしています。僕も自ら美容学校のコンテストを見に行って、才能溢れる学生に声をかけたりもします。光るものを持った人たちを、もっともっと輝かせていきたい。そのために自分に何ができるのか考えて実行することこそが、僕のライフワークなのです。

 

 

プロフィール
bianca
代表/中井宏昭(なかい ひろあき)

神奈川県出身。横浜商業高等学校別科卒業後、1店舗をへて独立、1999年に横浜の金沢文庫にサロンオープン。2008年に移転、鎌倉・由比ガ浜に『bianca kamakura』をオープン。現在はサロンブランディングを中心に、撮影のディレクションやセミナー講師、商品開発等で活躍する。また、スタッフから優勝経験を持つコンテスターを次々と輩出。鎌倉のローカルブランドから「日本のハイブランド」を目指している。

 

(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)

 

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