お客さまは店ではなく個人につく強みのある美容師に
初回から担当スタイリストを決めて予約を入れる、「目的来店」のお客さまが増えているという。その背景にあるのはお客さまの「失敗したくない」という思い。そこで選ばれるスタイリストになるためには、自分の強みをつくりながら、普段からそれをアピールする必要がある。
「私の場合は、髪に悩みを持ち始める三十~四十代のロングのお客さま。そこに寄り添ったメニューを得意としています」
そう分析するのは自身もスタイリストとして店舗に立つ、レイグループ代表の糸川芳和。同グループでは、研修に特化した施設をオープンした。
「入社から二ヵ月間、ここでサロンワークの基本からカットまでを学びます。その結果、店舗ではすぐに実践を経験できる。お店も助かるし、スタイリストデビューまでも最短です」
一般的にスタイリストデビューまでは二~三年といわれており、その間に辞めてしまう人も少なくない。
「せっかく美容師を目指しても、その楽しさを実感する前に辞めてしまうのはもったいない。この方法であれば、店舗で行う一年半分の練習を、二ヵ月でこなすことが可能。だからその分
早くデビューできます」
この研修を経験した新人の中には、すでに入社半年でJr.スタイリストとしてデビューしている人もいるという。早くスタイリストデビューできるからこそ、自分の強みを見つけやすい。
「一年目でデビューしたら、二年目からは自分の強みを伸ばせる。何が強みかについては、店長や先輩のスタイリストが客観的にみて、その人が興味のあることを伸ばしたり、向いていそうな分野などもアドバイスしていきます」
二〇二一年は、研修施設のオープンだけでなく、グループ全体にとっても変革の年になった。
「名称を『レイグループ』に改め、新規事業のブライダル事業もスタート。さらにこれまでのメンバーズカードを廃止して、専用アプリやLINEを使った顧客管理や情報発信も始めるなど、これまで以上にお客さま一人ひとりに寄り添ったサービスの提供に努めていきます」
今レイグループでは現在FCオーナーが十五名。今後FCを目指すメンバーも多数いる。女性オーナーも多く輩出していきたいと語る糸川。これからの更なる進化に注目。