年齢を経ても美容に関わる仕事ができるビジョン作り

ONE’s は、大手有名サロンから独立した三人の仲間が立ち上げた新進気鋭のサロンだ。神奈川を中心に店舗展開し、美容の最先端・原宿にもサロンを構える。最大の売りはハイトーンカラーやデザインカラーだ。

創業は四年目を迎え、鈴木は主に組織運営、人事、集客といった役割を担う。鈴木たちが自らの手で会社を立ち上げたのは、美容業界に対する不安を解消するためだった。若くして活躍できるのが美容師の魅力だが、年齢を重ねた後のビジョンが見えなかったという。そのビジョンを、ONE’s はどのように明確化しているのだろうか？

「ONE’s が目指すのは多角化と生涯雇用です。年齢を経ても、美容の仕事を続けられることはもちろん、スタッフの希望次第では、他業種にもチャレンジできる環境を作りたいです」

と鈴木は語る。

低い離職率の理由は頼れるメンターの存在

早期教育にも力を入れており、会社設立の翌年にはアカデミーも開講した。入社後はサロンワーク週二回、アカデミー週三回という勤務体制を取り、早い場合は半年でデビューが叶う。現在は二十代前半の若手スタッフが多いONE’ s。フレッシュな感性を生かしてInstagramを始め、Tik Tok などで集客を行うスタッフも多数だ。特に集客の要となるInstagram は取り組みに対して手当てが付けられるため、スタッフのモチベーションもアップにも一役買っている。

「組織運営や教育の目的で、若いスタッフが相談できるメンターを置いています。店長がその役割を担う場合が多く、マインド教育の合宿を行うこともあります。そして、ONE’s の各店舗には『ご意見箱』と呼ばれる目安箱があります。スタッフの小さな悩みをその都度解消することが、離職率を下げ、長く美容師でいられることに繋がると考えています。」

最後に、ONE’s が目指す理想のサロン像について聞くと、「待遇面も業界高水準と言っていいと
思います。これは、他のサロンと差をつけるというよりは、美容師の地位向上の一環だと考えています。どんなに大きな組織になっても、一人ひとりが人生の主人公になれる組織づくりを目指していきたいです」と鈴木は意気込んで話してくれた。