【GRAFF代表・今泉孝記】令和の教育システムで都心の人気エリアに3店舗、大阪にセカンドブランドサロンを展開。有名店から独立し、理想のサロンを立ち上げた理由

2020年春、コロナ禍の真っ只中で銀座に『GRAFF(グラフ)』を出店した、今泉孝記(いまいずみたかのり)さん。予約が入らない初月を乗り越え、翌月からは右肩上がりに売上が上昇。2年後には話題の人気エリア「蔵前」に2店舗目を、その翌年には日本橋店を出店。2人でひっそりと始めたサロンは、現在17名が在籍するサロングループへと成長しました。もともと独立願望などなかったという今泉さんが、なぜ出店の道を選んだのか、その経緯と共に、今泉流のサロン教育とこれからの展開について聞きました。
仕事の幅を広げたいという思いと、組織の”壁”
――新卒から有名店で12年間の勤務を経て、独立という流れですね。もともとは独立願望など全くなかったとか?
独立よりは、会社をもっと良くしていきたいなと思っていたんです。そのためにも、サロンワーク以外でも仕事の幅を広げて、結果を出していきたいと考えていました。まずは目の前の仕事やコンテストなどに集中して取り組んでいたんですが、インスタが出てきたタイミングで「この波には乗っておきたい」と直感して。すでにインスタを使いこなしていた後輩に教えてもらったり、他のスタッフと情報交換をしながら投稿を始めました。
そうするうちに、たまたま「ハンサムショート」がヒットしたんです。それまで指名売上は140万くらいだったんですが、300万に倍増しました。これでやっと自分も何か新しい形で会社に貢献できる…なんて期待していたんですが、逆にさまざまな制約が浮き彫りになりまして。大きな組織なので簡単に仕組みを変えることは難しいと思っていましたが、それが想像以上だったんですよ。そこで悩むくらいなら、自分にとって理想の環境に移った方がいいかなと。それが、独立のきっかけでした。

――SNSに取り組む前から、指名売上が140万。十分に売れている美容師だと思いますが、今泉さんには先行きの不安があったということなのでしょうか?
すごくありましたね。指名とはいえ、先輩から引き継いだお客さまもいましたし、僕自身に付いているというよりはサロンのお客さまが多いという実感があったので、この状況はどうにかしないといけないと思っていたんです。それで、わりと早い段階からインスタ発信に挑戦して。結果を出すまでの過程はすごく泥臭かったですが、僕は結果がすべてだと思っています。あの時に頑張って良かったです。
