月間最高指名売上1800万、VIEW TOKYO代表・菊地佑太が目指す真の繁栄のための”両軸教育”と社会貢献への想い

国内屈指の人気サロンが、今年3月に実施した組織再編で『VIEW』としてリブランディング。週末は1日約150人が来店するという渋谷本店は、店名が『VIEW TOKYO』として生まれ変わりました。そこで代表を務めているのが、キャリア23年の菊地佑太(きくちゆうた)さんです。有名店で18年間技術を磨き、現在の道にたどり着いた菊地さんですが、就活やアシスタント時代はうまくいかないことの連続だったそう。それでも「カットがうまくなりたい」という一心で道を切り開いてきた菊地さんに、美容師になりたての頃の話や努力してきたこと、新生・VIEWに賭ける想いを取材しました。
就活に失敗し、フリーターも経験。でも、まさかの出会いが
――菊地さんは就活に失敗して、最初の挫折を味わったとか?
そうなんです。一つのことにまっしぐらなタイプなんです。第一志望のサロンを決まったら、もうそこ以外の選択肢は考えられなくて。だから面接で落ちた時は、愕然としましたよね。次の道を決めきれず、のん気に構えていたら卒業式を迎えてしまいました(笑)。時代的に意外とそんな同級生もいたんですが、そこから急いで探して、ひとまず大型店に入社したんですよ。でも、外でずっとビラ配り。「俺には無理…」と2週間で辞めました。そのあと、原宿で当時ものすごく人気だったサロンに入ったんですけど、そこはカフェも経営していて、美容ではない雑用を振られるんです。「ここにいても技術は学べない…」と思い、3ヵ月で退社。そして、一人暮らしの生活費を稼ぐために半年ほど異業種でフリーターをしながら、サロンへの就職チャンスを狙いました。

日払いのバイトを転々としていたんですが、あるとき日給が高い一般家庭をまわる飛び込み営業の仕事を見つけて、始めてみたんですね。そしたら一緒にまわる方が、超有名サロンでの勤務経験のある元美容師だったんですよ。サロン名を聞いた時、「そこに入りたいと思っていたんです!」と僕が答えたら、「あそこは中途を募集してないけど、先輩が独立したから見学してきたら?」と。それで、すぐにサロン見学に行きました。すると、ちょうどタイミングよく人を募集していて、その場で採用が決まって(笑)。そこから18年、一途に勤めました。

――思い描いていた職場が決まり、美容師としてのキャリアが始まったというわけですね!
そのサロンがオープンして、半年ほど経った頃に僕が入社したんです。サロンの代表たちは、誰もが憧れる名店で経験を積んできただけあって、カットの技術レベルは秀逸でした。アシスタント時代は厳しいこともありましたけど、近くでずっと技術を見て触れられる環境だったので、今振り返るとすごくありがたい環境でした。
僕は25歳でスタイリストデビューしたんですが、その頃はまだガラケー時代。もちろん今のようなSNS集客もなく、どうしたら売上が上がるんだろう?と模索する日々でした。唯一のネックは、”こうすれば売れる”というロールモデルが近くにいなかったこと。すでにカリスマのスーパープレイヤーとして活躍する先輩ばかりで、駆け出しの僕と比べると、はるか上のキャリアなんですよね。あまりにも格差がありすぎて、参考にならないというか。
なので、デビュー後は自分でどれだけ努力できるか?という世界で、自分で考えて能動的に動く、ということを繰り返していました。習得したベーシック技術を軸に、ヘアカタログを見ながら自分なりに展開図を書いて、スタイルに落とし込んで切ってみたり。それが少しずつ評価されて、少しずつ豊かになっていった感じでしたね。コツコツと積み上げて、試行錯誤してきた18年だったように思います。成長スピードはすごく緩やかな時代でしたけど、それはそれで楽しかったですし、辞めたいと思ったことは一度もなかったですね。
