DADA CuBiCの魂を受け継ぐ者、小林和哉が語る美容師の本質。教育×デザインの頂点へ。妥協なきクオリティ、尽きぬ情熱。長く活躍できる“美容師の真髄”

卓越したデザイン力と確かな技術を誇るスタイリストを数多く世に送り出してきた『DADA CuBiC(ダダキュービック)』。2000年の創業以来、一貫して高水準の教育体制にこだわり、美容師として長く活躍できる人材を育成してきました。外部美容師向けに開講している「DADA DESIGN ACADEMY(ダダデザインアカデミー)」には、国内外から学びを求める美容師が訪れるほど。その伝統を守りながらも進化を続けるDADA CuBiCの“現在地”を探るため、今回はアートディレクターの小林和哉(こばやしかずや)さんに初取材。今取り組んでいる挑戦や、サロンのこれからについて語っていただきました。
長く活躍するためのベース技術を徹底的に習得

――DADA CuBiCといえば、新卒から一貫してスタイリストを育てている印象があります。現在もそのスタイルを貫いているのでしょうか?
中途で入社するスタッフもいますが、必ずアシスタントからスタートしてもらっています。これはDADA CuBiCの創業当初から変わらない方針で、私たちが大切にしている教育の哲学を守るためです。美容師としての基礎からサロンワークの姿勢、デザインに対する考え方まで、一貫した環境の中で身につけてもらうことが、最終的にはブランドの質を保つことにつながると思っています。DADAの文化や空気感を理解して育っていくことに価値があると考えているので、これからも「一から育てる」という方針は大きく変わらないですね。
――スタイリストデビューも、かなり時間をかけているイメージがありますが。
目安は3年ですが、実際には4〜5年かかることが多いです。僕自身は6年かかりました。ですが「どんなお客さまにも対応できる」という確かな自信を持ってデビューできたので、時間をかける意味は大きいと思います。無駄なトレーニングは排除しつつ、心身ともに良い状態で一人立ちできるよう導いていますね。
DADAはカッターとカラーリストがいる分業制のサロンなんですが、選択肢の幅を広げるために、その両方ができる”スタイリスト”というポジションを新たに作りました。ちなみに僕はカッターですが、最近デビューしたスタッフは二人ともスタイリストです。

――そのあたりも進化しているんですね。最近では、デビュー時期を早めていく傾向があります。小林さんはそれについてどう思いますか?
僕は懐疑的です。1年間の修行期間で、業界を長く生き抜けるベース技術が身につくかといえば、物理的には無理だと思うからです。特に20年、30年と活躍するには、応用力のある技術をしっかり体に刻み込む必要があります。ベースがなければデザインの幅も広がらないし、自由にコントロールできません。
特に年齢を重ねたお客さまに対応するためには、後ろ姿の美しさを含めた総合的なデザイン力が欠かせない。長く活躍できる美容師になるためには、どの年代のお客さまにも対応できる技術が必要ですし、そういう面でもアシスタント時代に一生懸命ベース技術を習得しておくと、のちのち自分を助けてくれますよ。
