酪農家の世界線もあった!?  GOALDプロデューサー・室井聖也、24歳。農業高校から、一気に美容トレンドの最前線へ。”異次元レベル”の技術を手にするまで

 

 

若干24歳。人気メンズサロン『GOALD(ゴールド)』でプロデューサーという重責を担う室井聖也(むろいせいや)さん。スタイリストデビューからわずかな期間で売上トップに駆け上がり、その技術力と存在感は、同業者からも「異次元」と称されるほどです。しかし、その原点は、きらびやかな美容業界とは真逆とも言える場所にありました。

実家は酪農家。進学したのも農業高校。将来は家業を継ぐ――それは本人にとっても、家族にとっても、ごく自然な未来だったと言います。そんな彼が、なぜ“美容師”という道を選び、わずか数年で業界の最前線へと駆け上がることができたのか。

高校時代、すでに200人以上の髪を切っていたという知られざるエピソードから、美容学生時代の挑戦、そして『GOALD』で積み重ねてきた4年間のリアルな努力まで。

これまで多くを語られてこなかった、室井聖也という美容師の“始まり”と、その急成長の裏側に迫ります。

 


 

実家は酪農家。農業大学に進学予定だった

 

――メンズ美容業界で数々の伝説を打ち立ててきた室井さんですが、実家は酪農家で、もともと家業を継ぐつもりだったそうですね。

 

そうなんです。生まれたときから、たくさんの牛と触れ合って育ちました。僕は3人兄弟の長男なので、祖父母も両親も、僕が家業を継ぐのが当然だと思っていましたし、僕自身もそう信じ込んでいました。高校は酪農経営を学べる農業高校に進み、大学も推薦で農業大学に進学する予定でした。美容師の道を考え始めたのは、高校3年生の夏です。

 

 

――かなりギリギリのタイミングだったんですね。もともと、髪のおしゃれは好きだったんですか?

 

好きでしたね。小学校3年生の頃から髪型にこだわるようになり、地元の美容室を何十店舗も回っていました。ただ、自分が「いい」と思える美容室に出会えなくて。それで小学5年生の頃から、見よう見まねでセルフカットを始めたんです。自分で切ったほうがしっくりくることに気づいて、今もたまにセルフカットをしています。

 

――今もですか? それは驚きです。

 

中学生になってから美容室に行くこともありましたが、結局あとで自分で切り直していました。高校生になると、クロスとハサミを購入して、友達に頼まれて教室で髪を切るように。気づけばクラスの男子全員の髪を切っていて、週末には2時間おきに友人が自宅へ髪を切りに来るようになっていました(笑)。そんなことをしていたら他校にも噂が広まり、「初めまして」の人からもお願いされるようになって。高校2年生の頃には、月に200人ほど切っていましたね。

 

 

 

――その人数は相当ですね。ご両親も驚かれたのでは?

 

母は、そんな僕の様子をずっと見ていたので、高校3年生の夏の三者面談が終わったあとに、「美容師にならなくていいの?」と声をかけてくれたんです。「長男に産んでしまって、やりたいことをさせられなくてごめんね」と。その言葉をきっかけに、本当にやりたいことに挑戦しなかったら後悔すると思い直して。

その日から美容学校について調べ始めました。すると、母校・原宿ベルエポックの広告がちょうど目に入ったんです。ワインディング試験で上位4位以内に入れば特待生として学費が半額になるという制度で、「その試験を受けたい」と思いました。両親にお願いし、試験まで1ヵ月しかありませんでしたが、そこから猛練習して受験しました。結果は2位。祖父母や父はすぐには納得していない様子でしたが、なんとか説得して上京させてもらいました。

 

 

 

>美容への本気度を父に示したくて、ヘアコンテストに参加

 

 

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