不器用だった僕を鼓舞し、美容師人生を動かした言葉と気づき――ハイライトのスペシャリスト、YOLO代表・大牧弘昌のコトダマ

 

美容師として歩むなかで、時に迷い、壁にぶつかる瞬間は誰にでも訪れます。そんなとき、背中を押してくれるのは“言葉の力”かもしれません。シリーズ「美容師のコトダマ」では、第一線で活躍する美容師たちが心に刻んできた“人生を変えた言葉”を紹介します。

 

今回は、都内で3店舗を展開するYOLO(ヨロ)代表の大牧弘昌(おおまきひろまさ)さんが登場。「美容師で成功してやる」という強い思いだけで飛び込んだ美容業界でしたが、美容学生からアシスタント時代にかけて、何をやってもうまくいかず、美容師を辞めようと思ったこともあったそうです。そんな大牧さんが壁を乗り越え、現在のようにオーナープレイヤーとして活躍するに至った背景には、たくさんの言葉と気づきがありました。今も胸に刻まれ続ける“コトダマ”とは――。

 


 

担任の励まし「お前は人一倍の努力家。すごい美容師になる」

 

 

高校生の頃、美容師になりたいと思った理由は「モテたいから」でした。進学校に通っていたにもかかわらず“頑張ること”を避け、部活にも入らず、校則も守らない。親は僕のことを呆れていただろうな、と思います。「美容師で成功してやる」という勢いだけで美容学校に入りましたが、周りができることを自分にはできず、不器用さが浮き彫りになりました。

「ここでしっかり頑張らなかったら、この先はない」という焦りを感じながら、とにかく練習の日々。それでも結果がついてこず、自信もなくし、美容学校を辞めようと本気で考えた時期もあります。

 

 

そんなとき、担任の先生が

「お前は人一倍努力してる。他の先生たちも注目してるぞ。必ず、すごい美容師になる」

 

と言ってくれました。「有名な美容師になれる? 俺が? そんなわけないやろ」と半信半疑でしたが、その一言は強烈に心に刺さり、救われました。あの頃は、まさか上京してサロンを経営することなんて想像もしていなかった。今があるのは、あの励ましの言葉があったからかもしれません。

 

店長がくれた希望「何も考えなくてええ。楽しくやればええやん」

 

 

卒業後、地元・大阪の老舗ブランドサロンに入社しました。そこでも不器用さは相変わらずで、懸命に練習してもシャンプーテストに受からず、同期の中で一番遅い合格でした。

 

入社1年目は、業界に集客サイトが登場し、ネット予約が始まった時期。毎日あふれるほどのお客さまが来店していましたが、それは毎月50万円以上の広告費をかけたから。その事実を知ったとき、自分が独立して活躍している未来が見えなくなりました。個人店は大手サロンに勝てない――そう思い、絶望した僕は1週間も無断欠勤をして自宅に引きこもりました。本気で美容師を辞めようとしていたんです。

 

それでも頭に浮かぶのは、仕事のことばかり。「朝礼の時間だな」「今ごろ練習している時間だな」…そのとき気づきました。自分は美容師という仕事が本当に好きなんだ、と。

 

 

勇気を振り絞って店長に連絡したとき、こう言われました。

「何も考えなくてええ。好きな仕事なんやろ? 楽しくやったらええやん」

 

深く考えず、好きな仕事を楽しめばいい。その言葉のおかげで「もう一度頑張ってみよう」と思いなおし、美容師を続けることができました。頭を坊主にしてお店に戻り、その後、店長から直々にレイヤーカットを学びます。今、僕はハイライトとレイヤーカットで多くのお客さまに支持していただいていますが、僕のレイヤーカットのベースは、そのときの店長の技術なんです。

 

 

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