ドリプラグランプリに、JHA最優秀新人賞──名だたるコンテストで受賞を重ねる24歳が登場。美容業界の次世代を担うクリエイター・維駒さんが見据える先は?

弱冠24歳ながら、業界中が注目するクリエイターの一人である維駒(いこま)さん。
専門学校時代にフォトコンテストで準グランプリを受賞し、クリエーションの楽しさに目覚めたといいます。地元・高知県で就職したのちも、サロンワークと並行しながら作品作りを続け、DREAM PLUSでグランプリ、JHAでニューカマー最優秀新人賞など大きな結果を残してきました。
そんな維駒さんは、つい先日、所属していたKENOMIKA.(ケノミカ)からの独立を発表したばかり。
成功体験に背中を押される形で挑戦を重ねてきたという維駒さんは、どのようにアイデアを生み出し、クリエーションと向き合っているのか。そして、独立後の展望は? これからが楽しみすぎる若手のホープに、詳しくお話を伺いました。
美容学校2年でフォトコンに挑戦。成功体験に後押しされ、クリエーションにのめり込む

初めてクリエーションに挑戦したのは専門学校の2年生のとき。すでに内定をもらっていたKENOMIKA.の代表から「やってみたら?」と言われたことがきっかけでした。
学生対象のフォトコンに応募したのですが、そこで準グランプリをいただけたんです。右も左も分からない中で臨んだコンテストながらもいきなり成功体験が得られて、作品を作るのが一気に楽しくなりましたね。
そこからは、サロンの定休日と学校の休みが被る月曜日に、お店のカメラ等の機材を借りて作品作りに没頭しました。多いときは1日4〜5作品作り、出せるコンテストにすべて応募。それが入賞したり、グランプリを獲得したり…と結果を残すことができました。
クリエーションを始めてすぐに結果を出すことができたのは、両親や家族の影響もあると考えています。うちは両親、祖父母、妹と全員が理容師なんですよ。特に両親は、今の自分くらいの年齢のときからコンテストに出たり、業界誌の撮影などもしていたので、クリエイションに関する資料や業界誌が常に身近にある環境で育ったんです。

昔から訳もわからずそれを読まされていたので(笑)、目が肥えていたんですかね。当時から、自分なりの基準ができていた気がします。
中でも僕が結果を出せた要因の一つは、引き算を大切にしたこと。美容学生が作る作品は、一つにいろいろな要素を盛り込みがちなのですが、僕はそれを避けて「一つの作品に一つの要素」と絞り込んで作っていました。そういった引き算ができるだけで、美容学生の中では一歩抜きんでることができた、というのはあるかもしれません。
クリエイションに明け暮れた学生時代を終え、就職してからも撮影を続けていたかというと、正直、1年目はほとんどできませんでした。
早くカラーが塗れるようにならないと戦力になりませんし、カラーができるようになったらブリーチ、マニキュア、ストレート…など、当たり前ですが覚えることがたくさんあって。学生の頃と同じペースで撮影するのはなかなか難しかったですね。

目の前のことに必死の日々の中で、気分転換も兼ねて休日に撮影をすることに。その作品を「MILBON DA-AD Photo」に応募したところ賞にノミネートされて、そこからまた撮影の楽しさを思い出したんです。僕はいつも成功体験に救われているんですよ。
そのときをターニングポイントに、いわゆる立ちコンにも挑戦するようになり、2年目には初めてJHAにノミネートされたり、MILBON DA NEXTでエリアグランプリを獲得したりと、「ちょっとクリエイティブが掴めてきたかも」と思うようになりました。
決定的だったのが3年目にチャレンジしたJHAとDREAM PLUSです。それぞれ、ニューカマーの最優秀新人賞と、グランプリを獲得することができました。
背伸びをしすぎて宙に浮くくらいの経験で、自らの成長を加速させていく

DREAM PLUSで大きな結果を残せたことで、新しいチャレンジの機会を与えてもらいました。よく「コンテストで優勝すると仕事に繋がる」と言われますが、僕はそれによって得られる経験にこそ、大きな価値があると思っています。
例えば、今まで見る側だったセミナーを自分がやることになり、教える立場を経験することになったこと。他にも、業界誌の表紙を任せていただいたり、取材で取り上げてもらったりと、自分を求めて来てくださる方や依頼が増えていき、それが経験として蓄積されていきました。
主催しているCCC(こまこまCLUB)という撮影会もそれに近い感覚でやっています。ただ、CCCはセミナーのように僕が一方的に話すのではなく、みんなが作りたいスタイルを持ち寄って撮影をする場。それに僕なりにアドバイスしながら作品をブラッシュアップして、コンテスト入賞を目指していくという能動的な形になっています。大変ですが、刺激的で楽しいです。

僕はこれまで、自分の身の丈より少し背伸びしないといけない状況に立ち向かって、チャレンジしてきたタイプなんですよ。たまにDJもやっているのですが、まだ始めて間もない頃、地元・高知のクラブイベントに有名なラッパーが来るときに「前座をやらせてください」とお願いして出させてもらったこともありました。あれに関しては正直、背伸びというより少し浮いているくらいだったと思います(笑)。
でも、一度やってしまえばそれは経験として残る。その積み重ねが、僕の成長のスピードを上げてくれたのだと思います。
セミナーも同じで、初めて依頼をもらったときは「グランプリを一度獲ったくらいで、できる器ではない」と思っていました。それでも、続けていくうちに少しずつ形になっていきました。最近はコンテストの審査員のお話をいただくこともあって、それもきっと次の経験につながっていくはず。そうした経験の連鎖が生まれたという意味でも、DREAM PLUSのグランプリは自分にとって大きな転機でした。
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