世界を旅しながら1000人のヘアカットという偉業を成し遂げ、2015年末に帰国した桑原淳（くわばらじゅん）さん。現在は東京・高円寺の美容室で活躍中です。お店に伺い、旅の思い出や旅人美容師としてブレイクしたきっかけなどの裏話を聞きいてきました。

もやし入り焼きそばで食費を削って旅費を貯める

－世界一周の旅、お疲れさまでした！ 早速ですが、桑原さんに旅を振り返っていただきたいと思います。まずは旅行前のことを教えてください。

「専門学校卒業後、青山にあるサロンで働いていました。充実した日々を送っていたんですが、遠方の店舗へ異動することになり、新しい生活にどうしても馴染めなくて退職することに。次が未定だったので、たっぷりある時間で日本を旅することにしたんです。その旅の途中で、世界一周してきた人との出会いがありました。その人は世界中で撮影した写真を路上で売っていて、話す内容がめちゃくちゃ面白かったんですよ。

旅に出る前の美容師時代

もう一つのきっかけは東日本大震災。僕はその少し前に東北に訪れていて、東北の人にとても親切にしてもらっていたんです。被災地ボランティアにも何度か参加しました。そのとき思ったのが、『人は意外と簡単に亡くなってしまう』ということ。被災地で死を肌で感じたとき、『人はいつか死ぬ。だから今しかできないことをしよう』と思ったんです」

－それからどんな準備をしたんですか？

「『海外に行こう、行くなら美容師として行きたい』と思って、美容室に再就職しました。旅に出るために、英語の勉強をしたり、資金を貯めたりしていました。英語をネイティブスピーカーに教えてもらいつつ、旅費はひたすら食費を削って貯めました。朝食べず、昼はもやし入りの焼きそばを食べて、夜はビールを飲んで寝ちゃう…というのが定番ですね。そんな食生活で大丈夫かって思う人もいるでしょうけど、僕は学生時代からずっとそんな感じだったので、なんとかなるだろうと（笑）」

＞旅のテーマはいつ決めたのか！？