「自分のお店を持ったことでいろんな自由を手に入れることができました」−people・磯部さんが語る独立後−
多くの美容師さんが夢見る“独立”。しかしどのような形、タイミングが理想の独立なのでしょうか？ そこでSHIMAでの15年の勤務を経て、peopleの代表を務める磯部さんにその答えを聞いてきました。peopleはSHIMAのモードなイメージとはまた違い、青山のヴィンテージマンションの1階に軒を連ねるローカルなカルチャーが感じられるサロン。さてさて独立して手に入れたモノとは。
素晴らしい仲間と働けて幸せだった
－なぜ美容師という職業を目指したのですか？
「高校生のとき、永瀬正敏が当時の奥さんである小泉今日子さんの髪を切っている映像を観て、ビビっときたんです。好きな人を美しく変身させるなんて、美容師はなんて素晴らしい職業なんだって衝撃が走りました。それで美容師になりたい、と。その映像を観ていなかったら僕はココにいないと思います。でもその後に二人は離婚しちゃったんですけどね（笑）」
－専門学校を卒業したら、SHIMAへ入社。なぜSHIMAを選んだんですか？
「専門学生時代、学校で開催したショーにSHIMAが参加していて、僕がたまたま学生モデルとして選ばれたんです。それで準備のために青山店を訪れたんですけど、そのお店がめちゃくちゃお洒落で……ココに入りたいって思いました」
－働いてみてどうでしたか？
「人間関係に恵まれていましたね。先輩とも後輩とも分け隔てなく、楽しく働けました。プライベートも仕事も一緒で、ある意味で家族のような関係を築けました。僕、人見知りなんですよ。だから自分を出せなくって、『アイツ、半年くらいで辞めるんじゃない？』って言われていました。でも先輩が殻を破るきっかけを作ってくれて、辞めずにすみました。だから“つらい”より“楽しい”思い出が残っています」
－どんな環境で働けましたか？
「人を認めてくれる環境が整っているんですよ。年齢やキャリアに関係なく、雑誌やコンテストに出させてくれる。能力を認めてくれる実力主義の会社なんです。作ったスタイルの写真を撮って発信するのを認める。それを見たお客さんからいい反応があったら、取り上げてくれる。アシスタントの人でもやらせてくれるんですよ。そういう試みは働く人のやる気に繋がる。そういうところはすごいなぁって。どんな天才でも良い環境がないと能力を活かせない。SHIMAには才能を伸ばしてくれる環境がありました」
－有名店の教育は厳しいイメージがありますが…
「そうでもないんですよ。下の人が困っていたら耳を傾けてくれる会社なんです。もし店長の対応に不満を感じたら、店長を飛び越えて事務所に相談できる。そしたら事務所が店長を叱ってくれる。社長がいて店長がいてサロンスタッフがいる。トップダウンなんかないし、下の人の意見も聞いてくれる」
