「明日からこなくていい」 有名店クビからの大逆転  −boat by ROVER 中沢和貴 U29次世代美容師−

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次世代美容師として注目される「U29美容師」のサクセスストーリーから、成長するためのヒントを「美容師のタマゴ」へお届けする企画「U29次世代美容師」。第6回目は、シルエットに徹底的にこだわった“こなれた外国人風ヘア”を得意とし、有名人や読者モデルからの支持も厚いboat by ROVERの中沢和貴(なかざわかずき)さんに、今にいたるまでの紆余曲折を聞いてきました。

 


 

 

本気でJリーガーを目指していた少年時代

 

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僕は昔Jリーガーを目指していたんです。小学校の頃から休みの日も練習していて、高校2年のときは国体の強化選手にも選ばれました。でもそこで、「ここでは目立てないな…」と感じてしまったんです。上には上がいるし、活躍している選手は大体、いい意味でオラオラ系。本田圭佑さんじゃないけど、強い自分を持っているんです。一方僕は、人見知りだし、控え目な性格だったというか…(笑)。ケガが多く、手術の経験もあるなど、フィジカルの不安もあったので、「この世界では成功できないかも」と感じました。

 

そこからなぜ美容師になったのかというと、中2くらいからファッションや髪型に興味を持っていたから。本当はやっちゃダメなことなんですけど、ヘアカタを見ながら友達の髪を切ってあげたりしていたんですよ。僕は昔から模写が得意で、目で見たカタチを記憶し、手で再現するのが得意だった。だから、市販のハサミしかなくても、なんとなくそれっぽい髪型をつくれたんです。

 

友達の髪を切って喜んでもらうのは、すごくうれしかった。このころから、誰かをプロデュースしたり、個性を引き出したりするのが、心から楽しいと感じていました。オシャレにも興味があったから、高校2年の終わりごろには、美容師になると心に決めていました。

 

「カラー」と「シルエット」に徹底的にこだわる

 

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高校卒業後、上京して専門学校に入学。結構アクティブに過ごしていました。とくにコンテストは好きで、すすんで参加していましたね。コンテストって、思いっきり自分を出せるから好きだったんです。僕はカラーとワインディングが好きで、とくにカラーにはこだわりがあったから、ワクワクしながら仕込んでいました。

 

僕の髪は学生時代から、どんな配合にしたらどんな色になるとか、もとがこういう色だから、こういう色を入れたらいい感じになる、とかずっと自分なりに徹底的に掘り下げて研究してきたんです。カラーって経験値がモノをいう世界だと思うんですよね。もちろんカットも好きですが、学生時代は本当にカラーのことばっかり考えていました。

 

あとは、雑誌を見るのも好きだったし、服もたくさん試しました。そのなかで感じたのは「シルエット」の大切さ。「シルエット」のバランスがよければ、細部がラフでもカッコよくみえる。今は「つくっていない風」のヘアをつくるのが好きですが、これってシルエットがキマっているからこそできることですよね。

 

卒業後は都内の有名店に入りました。でも、そこはラフなスタイルがNG。僕は納得いかなくて、「自分を消して働くなんて無理」って思っていました。注意されても受け流すだけで、直さなかったんですよ。

 

>最後の仕上げまで徹底的にこだわる

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