採用担当が語る“本気の採用基準” Null編 「応援したい」と思える素直さと誠実さ。応援が集まる人から、キャリアは動き出す。

美容業界で理想のキャリアを築きたい美容学生や転職希望者に向けて、人気サロンの“リアルな採用基準”を紐解く本シリーズ。今回は「Null(ヌル)」にフォーカス。
わずか24歳でNullを立ち上げた代表の松岡諒(まつおかりょう)さんに、応募者に求める人物像や面接時にチェックしているポイントについて伺いました。デザインカラーやハイトーン特化の若手美容師が活躍するNullの採用の裏側に迫ります。
学生時代のプライドを捨てて、謙虚に柔軟に努力できる素直さ
-新卒採用では、どのようなポイントを重視していますか?
「素直さ」を最も重視しています。僕自身もそうでしたが、学生時代は必死に練習したり、コンテストに挑戦したりする中で、良くも悪くも“なんとなくの自信”が生まれると思うんです。ただ、実際に社会に出ると、学生の頃の感覚のままでは通用しない場面が多い。その自信が変なプライドに変わってしまうと、成長が止まってしまうんですよね。学生時代にどんなにすごい結果を残していても、どれだけ技術が上手くても、です。プライドが先に立つと、先輩のアドバイスを受け取れなくなってしまうからです。
一方で、最初はどれだけ不器用でも、先輩から教えられたことを「そうやるんですね」と素直に受け止め、吸収できる子は本当に成長が早い。そういう姿勢を見せてくれると、先輩も自然と「もっと教えたい」と思うようになりますし、結果的に先輩と本人の熱量が噛み合って、成長スピードも一気に上がっていきます。だからこそNullでは、技術や実績以上に、その人がもともと持っている「素直さ」を何より大事にしています。
その素直さは面接の場で、日常や学校生活での立ち回り方、周囲との関わり方などを伺いながら見極めています。あえて面接中に少し厳しいフィードバックをすることも。「君にはこういう一面があるから、こう改善したほうがいい。もし改善できないなら、Nullの文化に馴染むのは難しいと思う」と率直に伝えるんです。そうしたときの反応は人それぞれで、その瞬間にどれほど素直に受け止められるかは、かなりはっきり分かれます。
現在入社1年目で、既にスタイリストで売上も100万円以上を達成しているウメヒラというスタッフも、実は一度目の面接では不採用でした。ただ、その際に伝えたフィードバックを真正面から受け止め、落選後も自分の課題に誠実に向き合い続けていた。その様子で「この子なら必ず伸びる」と確信し、改めて採用を決めたんですよね。彼の選考のプロセスはやや特殊ですが、その後の活躍ぶりを見ていると「謙虚で、素直であること。深く考え、行動に移せること」が美容師にとってどれだけ大切なことなのかわかります。
・SNSはほとんど気にしない
一方で、技術やSNSのフォロワー数はほとんど気にしていません。強いて言えば、SNSで発信している内容は確認するようにしていますが、社会人として不適切な投稿がないかなどをチェックする程度です。というのも、先ほどお伝えした素直さと、Nullの環境があれば技術やSNSはいくらでも伸ばしていくことができるからです。事実、入社前はフォロワー数百人だった子が、入社後、万単位のアカウントにまで成長している子も数多くいます。
-中途採用では、どのようなポイントを重視していますか?
・自分で自分の背中を押せるか
新卒生同様、素直さは大前提として、もうひとつ重視しているのが、自分で自分の背中を押せているかです。誰かや周りに言われたから動くのではなく、「自分はこうなりたい」「そのためにここを選ぶ」と、自分の意志で決断できているかをかなり見ています。例えば、「今の環境が合わないから」という理由だけでNullを志望するケース。これは正直、僕は少し違うかなと思っています。それは前向きな選択というより、消去法に近い。今いる環境でできることをやり切らないまま、次に行こうとしているように映るんですよね。
逆に、今のサロンでやれることをやり切った上で、それでもなお「もっと高みを目指したい」「Nullのここに惹かれた」と具体的に話してくれる方は、納得感があります。退職するという選択も、誰かのせいにしないことが大切です。不平や不満ではなく「今のサロンには感謝している。でも、自分の意志でNullを選んだ」と言えるかどうか。そこには、ご本人がこれまで人にどう向き合ってきたか、そしてこれからどう向き合おうとしているかが表れます。だから面接では、いろんな角度から質問を重ねて、その人が本当に自分の意志で前向きな選択をしているのかを見極めるようにしています。
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