【メディアに出ない“影の人気店”】コロナ禍での独立、わずか2年で2店舗。比見幸平が仕掛けた『aid』成功の方程式と、スタッフを“売れっ子”へ導く育成哲学。
スタッフを売れっ子に育てる、比見流の教育とは
――1店舗目のユニセックスサロンがすぐに繁盛し、2年後に渋谷店もオープン。こちらはメンズサロンですね。
はい。渋谷店はメンズサロンとして展開しています。たまに女性のお客さまもいらっしゃいますが、「丸みのないかっこいいショート」や「動きのあるパーマスタイル」など、男性的なスタイルを求める方が中心です。うちは“美容室初心者”の男性が多いんです。「有名店は入りづらいけど、おしゃれになりたい」という方にとっての入り口というか。業界的な知名度はまだ高くありませんが、SNSのおかげで一般の方にはかなり知られるようになりました。

――スタッフも増えていますよね。
ありがたいことに、常に応募があります。今では新卒から育てたスタッフのうち6〜7人がデビューし、それぞれ月180万円前後を売り上げています。中途で入ったスタイリストも、前社で月60万円だったのが、aidに来てからは350万円ほどに。技術だけでなく、接客の考え方を共有することで結果に繋がっているのが嬉しいですね。

――aidの教育カリキュラムは、レディースとメンズを選べるんですか?
レディースとメンズを選択でき、希望すれば両方学べるようにしています。技術は僕が直接指導しています。内容はどんどんブラッシュアップしていて、無駄を省き、必要なことを伝える形にしています。

――もともと教えるのは得意だったんですか?
全然です。昔はかなり厳しい先輩でした(笑)。弱音を吐く後輩に「その程度なら美容師に向いてない」と言ってしまうような。でもオーナーになってみて、気づいたことがたくさんあり、自分自身も考え方が変わったんですす。スタッフに向き合う時は、一人ひとりの気持ちを汲んで、その上で伝えるようになりました。この立場に就かせていただき、人として成長できたと思います。また外部の美容師との交流を通じて新しい価値観に触れたのも大きかったですね。

>今年12月、『aid』のユニセックスサロンが渋谷に拡張移転