【K-1王者】サロンとリングを両立させる、菅原美優の華麗なる二刀流キャリアとプロフェッショナル魂
職場環境に恵まれ、格闘家とアシスタントの両立が実現
――AIRに入社して、アシスタントをしながら、どのように格闘技と両立したんでしょうか。
出勤は普通に月8日休みでしたが、朝は8時出社で退勤時間だけ15時にさせてもらっていました。16時からK-1のトレーニングが始まるので、それに間に合うように。毎日22時までトレーニングしてましたね。そんな生活だったのでシャンプーのテストも同期に遅れを取ってしまい、自分なりの最大限の努力として30分だけ早めに来て練習をしていました。たった30分でも、積み重ねれば大きいので。

K-1のトレーニングは、日曜だけが休みなんです。それ以外は毎日なので、そこで休まないと心身が疲弊しちゃうんですね。最初は日曜もサロンに出勤していましたが、体調を崩してしまい、そこから特別に休みをいただけることになって。火曜と日曜の週休2日で、アシスタント時代は過ごしました。試合があるときは、1週間休みをもらっていました。優勝できたのは、”環境”に恵まれていたなと、すごく思います。こんな職場で働けて、感謝しかないですね。ちょうど4年間アシスタントをして、昨年4月にスタイリストデビューしました。

©︎ K-1
――試合で顔に傷ができたりするかなと思いますが、接客する上で問題はなかったですか?
さすがに目に青タンができて腫れたときはスタッフからも心配されましたが、格闘技の世界であざはニキビ程度のものですし、私は堂々としてましたね。昨年、ひと足先にメンズヘア限定のスタイリストとしてデビューしたんですけど、基本的にお客さまは格闘技が好きな男性客がほとんどなんです。なので、顔が傷だらけになっても、逆に会話が盛り上がったりします(笑)。私は痛みに強いのか、「痛い」という感覚があまりないんですよ。眉頭の上が切れて5針縫ったことがあるんですが、きれいに縫っていただいたおかげで元通りの状態に治りましたし、私自身は怪我による接客の難しさは感じてないです。足の骨は折ったことがありますけど、手の負傷は経験ないですしね。

©︎ K-1
両立できるか、できないか。自分次第で未来が変わる
――両立していて、難しさを感じることはありますか?
強いていえば、美容師として働き始めたときに4kg痩せてしまったことがあって、試合体重を切ってしまったんですね。食生活が不規則なせいなんですが、そこから食べれるときはしっかり食べるようにしています。あとは、睡眠時間も足りてないです(笑)。毎日22時半にトレーニングから帰宅するんですけど、お風呂入ってご飯食べて、犬の散歩に行ったらすぐ深夜1時になってしまって。2時までには寝たいんですけど、だいたい睡眠時間は5〜6時間くらい。もうちょっと寝たいですね。

でも、両立してきたことで、いつ格闘技ができなくなっても生活していけるという安心感があります。それって、すごく大きいと思うんですよ。私は両方やってきて良かったなと、すごく思っています。よく周りから「どうやって両立しているんですか?」と聞かれますが、”覚悟”だけだと思うんですよね。両方やるにしても、ひとつに絞るにしても、どちらも大変だと思うんです。どっちの選択をして、どこまでやり切れるかなので、すべて”自分次第”です。

――格闘家をしているときと、美容師をしているときの自分。それぞれに向き合うときの気持ちに変化はありますか?
うーん、とくにないですね。試合の最中は別ですけど(笑)、それ以外の記者会見だったり、メディアの仕事のときは、サロンワークをしているときの自分と変わらないです。化粧をしっかりめにしている程度でしょうか。サロンでは、お客さまに対してありのままの自分で接するように心がけています。
