エイプリルフール、嘘で終わらなかった美容師達の大事故集

借金1億円の嘘で、封筒が出てきた件(35歳/女性)

 

世間話の流れで、つい口が滑りました。「実は離婚して家庭が大変で…肩代わりした借金が1億円あって、返済がきつくて…」。もちろん、エイプリルフールの冗談。少し驚いて笑ってくれたら、それで終わるはずでした。ところが、お客さまの表情が真剣になったんです。「無理しないでね」「体壊さないでよ」「一人で子育ては本当に大変なんだから」。想像以上の心配。さすがに申し訳なくなり、すぐにネタばらしをしました。「嘘です、エイプリルフールです」と。その場は笑って終わった…はずでした。

 

数日後。そのお客さまが再来店し、そっと封筒を差し出してきました。「少ないけど、足しにして」。中には1万円。エイプリルフールと言ったのは、心配させないための強がりだと思ったそうです。本気で心配して、本気で持ってきてくれたお金でした。慌てて事情を説明し、何度も謝って、なんとか返却。笑ってくれましたが、そのあとに言われた言葉が忘れられません。「実は私もシングルマザーで大変だったの。気持ち、わかるのよ。困ったら相談してね」。

 

人の優しさを引き出す嘘は、罪深い。でも同時に、美容師という仕事の関係性の深さも思い知りました。髪を切るだけの関係だと思っていたのに、こんなにも本気で心配してくれる人がいる。エイプリルフールの失敗のはずが、最後に残ったのは、少しだけあたたかい気持ちでした。

 

<まとめ>

エイプリルフールの軽い一言は、想像以上の展開を連れてきました。宝くじの嘘は全員グルで回収され、元総長は本当に来店し、「クビかも」は本社に届き、「独身です」は家庭を揺らし、借金1億円は封筒になって戻ってきました。どれも笑い話ですが、毎回冷や汗つきです。美容師の何気ない一言は、思った以上に影響力があります。場を和ませるつもりでも、距離が近いからこそ本気で受け取られる。結局一番安全なのは、余計な設定を足さないことなのかもしれません。今度のエイプリルフールは、平穏に営業できるといいですね。

 

(取材・文/リクエストQJ編集部 イラスト/野田節美)

 

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