◆at’LAV◆ by Belle 冨山倫宏さんのびよう道 カリスマ美容師時代の過酷なサロンワークを生き抜き「技術がすべて」を証明。 デビュー直前に脱落者が続出! 限界突破の25年を経て見えてきた、美容師の流儀

再来率50%&3カ月連続90万円突破、厳しすぎるデビュー基準

 

 

美容師になって3年ほどでスタイリストデビューしました。デビュー直後から月100万円の売上はすぐに達成し、1年目後半には120万〜130万円を安定して上げていました。とはいえ、その裏には勤めていたサロン独特の厳しい“登竜門”がありました。スタイリスト最終チェック前に「50%リターン」「売上チャレンジ」という二つのハードルを越える必要があったんです。最低で100名のお客さまに入客し、その50%に再来店してもらい、3カ月連続で90万円以上を売り上げる。デビュー前にここまでやるサロンはないですよね。実際、せっかくデビュー直前まで行ったのに、ここで脱落するスタッフも多く、正直かなり過酷でした。

 

 

当時モデルハントで出会ったお客さまのなかには、今も変わらず通ってくださる方がいます。かれこれ25年以上のお付き合いになる方が十数名。一緒に成長してきた実感があります。ありがたいことに、「私があなたを育てる」と言わんばかりに、ひとりで十人以上を紹介してくれるお客さまもいるんですよ。応援してくれる常連のみなさまの気持ちに応えるために感謝を言葉と行動で示し、とくに大切に接しています。そうして、僕が成長することで「私が育てた美容師」という誇らしさが生まれ、長年にわたって関係が続いてきたのかな、と思います。

 

しゃべりが苦手なら、技術で勝負すればいい

 

 

僕は接客中のおしゃべりが得意ではありません。第一印象も「怖そう」と言われがちです。ただ、口下手を直そうと思っても難しいもの。話せないなら、技術で認めてもらうしかない。真剣に技術に向き合う姿勢を見せることで、口下手を“職人気質”として受け入れてもらえるようになりました。僕は、施術中にお客さまがくつろげていれば、それだけでひとつのサービスとして成立すると考えています。ただ、絶対に外せないのは技術のクオリティ。技術こそが自信の源になります。

 

新規のお客さまにも「寡黙だけれど腕は確か」という印象を与えられれば、会話が少なくても安心して任せてもらえるものです。不得意を無理に補うより、強みを際立たせる――そのシフトチェンジが功を奏し、信頼と紹介の連鎖につながってきたように思います。

 

売上は少しずつ伸びますが、最初に大きな壁となったのが月150万円でした。ここでいったん成長が止まり、次のステップである200万円超を目指すためには、アシスタントとの連携が不可欠だと痛感しました。実際にお客さまと接する時間が最も長いのは彼らですから、技術を共有し、密にコミュニケーションを取り、チームで歯車を合わせることが何より大事になります。アシスタントが一つ動きを外すだけでサロン全体が回らなくなるほど、現場は混沌としていました。

 

 

売上が伸びていく一方で、別の悩みが生まれました。限られた人数で回すため、僕は“マシン”のようにひたすらカットをこなし、ほとんど会話もなくお客さまを送り出す日々。数字は落ちませんが、人と向き合う喜びを感じにくくなり、「これでいいのか」と疑問が湧いてきたのです。

 

その葛藤を解決するために踏み切ったのが独立でした。売上の壁や現場の課題にぶつかるたび、新しいアクションで打開策を見つける──その繰り返しが、僕を今の場所へ連れてきてくれたと感じています。

 

>美容師としてステージが変わっても悩みは尽きない

 

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