MINX池戸裕二のびよう道 売れない30万円スタイリストから取締役へ 自分の概念を壊した先に、次のキャリアが待っている

売れっ子になるために、“かっこいい美容師像”を壊した

 

 

ようやくスタイリストになっても指名がつかず、全然売れませんでした。月の売上が30万円くらい。同期はもう100万、150万いっている中で、自分だけ取り残されてる感覚。「あ、これヤバいな」って、さすがに思いました。

 

当時の僕は、金髪でロン毛で、ファッションも結構ハードで。つまりは、お客さまウケ関係なく“自分の好き”を全開にしていたんです。それって、ただの「かっこつけ」だったんですよね。今思えば、自分が憧れる“美容師像”を押しつけていただけで、お客さまのことは、まったく見えてなかった。

 

それからは、もう売れるためにできることは全部やりました。髪を切って、爽やか系に。メガネをかけた方がいいって言われたらかけるし、パーマをかけろって言われたらすぐかけた。歩き方、姿勢、話し方まで、「自分がどう見られているか」を意識して、徹底的に変えていきました。

 

 

正直、それまでの自分の中での“かっこいい美容師像”を捨てるのは怖かったですよ。でも、そのままじゃ誰にも届かないと気づいたんです。人に届く美容師になるために、自分の概念を壊してでも変わらなきゃいけない。そう腹をくくった瞬間が、自分にとって大きな転機でしたね。

 

雑誌の現場で見つけた活路

 

 

その頃の僕にとって、売れる美容師とは“雑誌に出ている人”でした。雑誌に出れば、知名度も上がって、お客さまも来てくれる。だから、「とにかく現場に行く」って決めて、アシスタントとして撮影の現場に食らいついていました。

 

自分のモデルを連れていけば現場に同行できるっていうのもあって、とにかくモデル探しに必死でした。街でハントしたり、クラブで声をかけたり。寝る時間なんかほとんどなかったけど、「誰かが見てくれている」と信じて、毎回の現場で存在をアピールしました。

 

雑誌撮影の現場ってピリピリしてて、めちゃくちゃ怖いんですよ。でも、毎回来ていることを覚えてもらえると、だんだん編集さんやカメラマンさんとも顔見知りになって、「あの子、頑張ってるよね」って声がかかるようになるんです。

 

仕事って、待っていても来ないんですよね。自分から動いて、自分から取りに行く。あの頃の必死さが、今の自分の土台になっている気がします。

 

>「店長やらせてください」手を挙げなきゃ何も始まらない

 

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