男性アーティストを支えるメンズ専門ヘアメイク・大木利保。レディースサロン出身からトップクリエイターへ。「目の前の全力が未来をつくる」

今をときめく男性アーティストのヘアメイクを数多く手がけ、日本のメンズヘアの潮流を動かしているのが、表参道のサロン『CONTINUE OMOTESANDO(コンティニュー・オモテサンドウ)』代表・大木利保(おおきとしやす)さん。人気老舗レディースサロン出身で、20代は極めて多忙な日々を過ごしました。メンズのヘアメイクを手がけることになるとは、当時は微塵も想像していなかったそう。緻密な設計と繊細な仕事で“美しい男性像”をつくり出し、多くの俳優やアーティストから絶大な支持を集めています。美容師×ヘアメイクという立場から、日本のメンズヘアをアップデートし続ける大木さん。そのキャリアと仕事論を紐解きます。
23歳からスタートした美容師人生
――大木さんは、3年遅れで美容専門学校に進まれたそうですね。
はい。全く違う業界で働いていました。ヴィンテージ車やアメ車が好きで、車関係の仕事をしていたんです。ただ、小さい頃から絵を描いたりデザインを見るのが好きだったので、働いていく中で「デザインで人に喜んでもらえる仕事がいいな」と思い始めて。それで美容師を目指そうと、地元・千葉の美容学校に行きました。なので、スタートは結構遅かったんですよ。

――前職はかなりの有名店ですが、美容学生時代からそこで働きたいと思っていたんですか?
最初は全くこだわっていなかったんですが、先生に都内のサロンをすすめられました。それで調べていたとき、あるカリスマ美容師が書いた1冊の本と出会い、衝撃を受けたんです。「この人に切ってもらいたい」と思って青山の人気店に予約を取ろうとしたのですが、「メンズカットはやっていない」と言われたんですよね。でも一度サロンワークを見てみたいと思い、フリーで予約して行きました。隣の席でカリスマ美容師がカットしている様子は本当にキラキラしていて、サロン全体も活気がありましたね。その雰囲気に惹かれて、入社を志望したんです。

――当時は激務だったと思いますが、アシスタント時代はどうでした?
最初についたスタイリストは、外部のヘアメイクの仕事を数多く手がけている方でした。その影響もあって、僕自身もヘアメイクを本格的に学ぶようになったんです。最初の半年は正直かなり大変でしたが、少しずつできることが増えていき、気づけば仕事そのものが楽しくなっていました。
その後、憧れていたカリスマ美容師のメインアシスタントに就くことができ、ヘアだけでなくメイクも任せてもらえるように。ヘアショー、セミナー、ヘア撮影などの現場にも携わる機会をいただき、人脈も一気に広がっていきました。
スタイリストとしてデビューしてからは、モデルやタレントのヘアメイクの依頼もいただくようになり、入社当時には想像もしていなかった世界が目の前に広がっていった、そんな感覚でした。
