日本一の「美容室 社長」が語る型破りな独立・経営論 -個室型美容室 GULGUL-

ニンテンドーDS Liteを使ったオープニングキャンペーン

 

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オープニングキャンペーンも工夫しました。30%オフとか50%オフで集客するのがベタだと思うのですが、僕は料金を安易に下げたくなかった。ちょうどそのころニンテンドーDS Liteが人気のあまり品薄状態で「これだ!」と思ったんですよね。

 

オープンのチラシに10人1人必ずニンテンドーDS Liteがもらえますっていう情報を載せたんです。これが大当たりで、オープン前から予約が60名以上集まり、初日からたくさんのお客さまがきてくださいました。チラシを見た人は気前がいいと思ったかもしれないけど、10人に1人、1万7000円のプレゼントをするってそんなに痛手じゃないんですよね。一人当たり1700円OFFですから。ちなみにこれ、任天堂の許可をしっかりとって実施したキャンペーンでした。

 

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バリをイメージしたアジアンテイストの個室型美容室というスタイルも注目されるきっかけになりました。その当時は、ガラス張りの白基調で、セット面がずらりと並んでいる美容室が多かったから、逆張りしたんですよね。ちなみに、サロン名のGULGULの由来は・・・ありません(笑)。覚えやすさと言葉の響き、ロゴにしたときの字面のよさにこだわりました。というのも、僕、世の中にあるサロン名って覚えにくいものばっかりだし、そこに込められた意味もお客さまに届いてないと思っていたんです。だから、見て聞いて記憶に残る名前にしました。

 

おかげさまでオープンから数年で、3店舗まで増やすことができました。でもそのころの僕は決算書も読めなかったんです。勢いだけの出店に限界を感じたため、1年間集中して経営を学びました。そのために500万円くらい投資しましたね。

 

一度独立したら、もう後戻りはできない

 

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コツコツと着実にGULGULを育ててきて、今は5店舗になります。幹部スタッフが育っているし、スタッフみんなが、GULGULのやり方に共感してくれています。

 

次の目標は、GULGULを有名店にすること。たとえば、福利厚生や給料がいいけど無名サロンと、原宿や表参道にある超有名店のどちらに人が集まるかと言ったら断然、後者ですよね。そこで働く人の誇りも違うと思います。

 

僕が毎日ブログを書いて、情報発信しているのには、そういう意味もあります。「なんかGULGULっていつも面白いことしているよね。働いている人も楽しそうだよね」って思われるようにしていきたいんです。

 

ブログ経由で独立や経営について相談を受けることも増えました。これは最近感じていることですが、フリーランスの方が増えたり、こじんまりした小型店舗が増えたりしていますよね。独立のハードルが低くなっているから、あまり深く考えずにやってしまっている人もいるのかなと。

 

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僕の中で独立は、一度したら戻れないもの。60歳とか70歳まで継続していかないといけないし、現状維持では衰退するばかりだから、攻め続ける必要があります。最低限の暮らしができればいい、という考えでは厳しいと思うんですよね。

 

ふらっと独立しても、10年くらいならやっていけるかもしれない。でも、20年後はどうなるかリアルに考えたほうがいいと思います。仮に30歳で独立したら50歳。子供の学費など、お金が必要な時期かもしれません。そのとき困らないためには、事業を育てることが大事です。なので、これから独立を考えている人には、「20年先まで考えてみなよ」ってアドバイスしたいですね。

 

プロフィール
個室型美容室GULGUL
大河内 隆広(オオコウチ タカヒロ)

東京都出身。国際理容美容専門学校の通信課程を経て、18歳で美容師に。25歳で美容師を辞め、メーカー勤務。30歳の誕生日にGULGUL1号店をオープンさせる。『美容室 社長』で検索すると1ページ目の検索順位1位にブログが出てくる自称「日本で1番目の美容室社長」。東京・千葉で『個室型美容室GULGUL』を5店舗展開。

http://www.hairsalon-gulgul.com/
http://www.t-okouchi.com/

 

(取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

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