秋川渓谷と里山の間にある「予約のとれない美容室」 -山の小さな美容室-

田舎の地元アドバンテージは大きい

 

 

地域密着型の店舗をやるうえでは、「誰がやっているのか顔が見えること」も重要だと思います。なぜなら、「檜原村の誰々さんの息子がやっている店」というだけで、地域のみなさんは安心するんです。お客さまいわく、知らない人がやっている店よりも、グッと敷居が低くなるんだとか。

 

ただの田舎ではなく、地域をつなぐ主要道路に面しているのもよかったと思います。地域の人々が通勤・通学で必ず通る道なので、新しい店ができたらとても目立つからです。

 

そんなこんなでお客さまは、あきる野、檜原村にお住まいのみなさん、前のサロンのお客さま、あとは友人のお母さんがたくさんきてくださっています。1歳のお子さんから92歳のおばあちゃんまでさまざまです。おかげさまで、最近では「予約のとれない店」と言われるようになりました。施術を終えた後、次の予約をしていただくのがいつものパターンです。

 

最近、僕が考えているのは、この店と同じような経営スタイルを、違う地域で展開したらどうなるかということ。地元の人間が店に立つようにすれば、大失敗はしないと思うんですよね。それだけ「田舎の地元のアドバンテージ」は大きいんですよ。だから、「地元で独立しても田舎だから…」とためらっている人がいるとしたら、チャレンジしてみる価値はあるよって伝えてあげたいですね。

 

 

 

プロフィール
山の小さな美容室
島崎直人(しまざきなおと)

東京都檜原村出身。国際文化理容美容専門学校国分寺校卒業後、都内の大型サロンに入社。11年間勤務後、地元に近い場所に「山の小さな美容室」を立ち上げる。週3回は都内で美容師をしている姉も勤務。店内には日本画家の弟の絵画が飾られている。

http://oyamanobiyousitu.com/index.html

 

(取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

 

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