JHAグランプリ受賞の飯笹豪が初登場!福岡から発信する圧巻のクリエイティビティ。サロンワークでは月売上500万を20年以上継続、愛ある美容師魂に迫る
「地方にいても活躍できる」を証明するために
――都内での作品撮りを重ねたことで、クリエイションを見る目もかなり養われたのでは?
そうですね。やはり第一線で活躍する一流のカメラマンやメイクの方との仕事を通して、その都度ディスカッションをしながら、よりよい作品にしていく工程がすごく勉強になりました。まだ経験の浅い自分には何が足りないのか、どんなことをもっと学んでいけばいいのかなど、直接アドバイスもいただけたので。クリエイティブを本気で追求していくとデザインの本質の理解が深まりますし、技術も磨けます。僕はずっとこれからもいい仕事をしていきたいと思うから、今後も続けていきたいなと思っているんですよ。「東京以外でもいろんなことができる」ということを、地方の美容師さんたちに広く知ってほしいという思いもあります。
――飯笹さんは39歳で独立出店されましたが、30歳のときにも、一度独立を考えたとか?
そうなんです。会社に辞意を伝えたことがあったんですが、そのタイミングでクリエイティブディレクターの職を打診されて。お世話になった会社の恩も返したかったですし、九州のスタッフも育てたいなという思いもあり、退職は思い留まりました。そこから数年は教育に注力したんです。ただし、定期的に教えるために店舗をまわっても、規模が大きいので教えられることには限界があって。しっかり伝えるためには目が届くところに自分がいないと難しいですし、「血の通った店を作りたいな」という思いが募ったので、自分の店を出すことにしました。

――『FAVOR』という店名には、どのような意味を込めているんでしょう。
FAVORは、“恩”という意味があるんです。両親も含め、今までお世話になった方たちに恩を返していける場所にしたい、という思いを込めています。僕は20代半ばで福岡に戻りましたが、「お世話になった方たちの前で、成長していく自分を見せたい」という気持ちが当初からあって、福岡で成功したいなと思っていたんですよ。