PEEK-A-BOO女性初のアートディレクター誕生! 業界のトップサロンで歴史に名を刻む伊藤雨潔さん

“肩書き”大好き! アートディレクターになると決めた瞬間、スイッチが入った

 

 

PEEK-A-BOOでアートディレクターになりたいというのは、入社したときからの目標でした。昔から競争が好きというお話しをしましたが、“肩書き”も大好きなんです(笑)。私は30歳のときにトップスタイリストになったのですが、その後は35歳でディレクターに、40歳でアートディレクターになる、という目標を立てていました。実際にディレクターになったのは33歳のときだったので、目標は上回っていましたし、その時点で社内に女性のディレクターは私だけという状況に。ただ、それから少し経って、他の方たちが昇格したことで女性ディレクターが社内に3名増えたんです。女性が活躍できる職場という観点からするととても喜ばしいことですが、負けず嫌いの私からすると「他の人と一緒はイヤ!」という感じで(笑)。次のランクであるアートディレクターになる目標をすぐに掲げました。

 

 

もちろん、アートディレクターへの道のりは簡単ではありません。ランクアップの条件は、半年間の売上の数字と顧客人数の達成。その他にも細かい条件があって、それをクリアなければなりません。今までは売上やお金にはこだわらず仕事をしてきましたが、ランクアップの目標を達成するためには、たくさんのお客さまに協力してもらうことが不可欠でした。

私は「決めたら燃えるタイプ」なんですよね。昨年6月の前半の売上が良くて、「これはいけるかも」とふと思ったんです。その時期に、たまたま小学校からの友人がお客さまとして来店してくれたので、「アートディレクターになりたいんだけど、いけるかな?」と相談したんですよ。そうしたら、あっさり「いけるでしょ。応援するよ」と背中を押してくれて。その瞬間に、ここから半年間は全力で数字を取りにいこうと決めました。

 

 

そこからは、もう必死。とにかくお客さまに連絡して、周りのスタッフやアシスタントも巻き込んで、「今だけはごめん! 全力でやらせて!」とお願いしました。

半年間、緊張の糸が切れない毎日を過ごし、最終的にランクアップの条件はクリア。12月にはアートディレクターへの就任が決まりました。

来店してくださったお客さまへの感謝はもちろんですが、私と同じ方向を見て支えてくれた専属アシスタントの功績も大きいと感じます。やっぱり、サロンって一人ひとりに役割がある“チーム”なんですよね。私の専属だった彼の場合は異例で、1年目からディレクターの私のアシスタントについてくれたんです。正直、最初は本当にポンコツで…(笑)。でも、それって1年目だから当たり前のこと。

 

アートディレクターとして名前が載った看板

 

私は、自分が本気でやっている姿を見せれば、相手も必ず応えてくれると思っています。だから、朝も夜も練習を見ましたし、教えられることは全力で教えました。周りから見たら「特別扱い」だと思われるかもしれないけれど、私にとっては当然のこと。だって、アシスタントは私の分身として大事なお客さまを任せる存在なんだから、自分がちゃんと教育しないといけないですよね。サロンでの指導だけでなく、ご飯に連れて行って話もするし、私自身のプライベートもかなりオープンにしています。

 

これからは、後輩のためになにが出来るかを考えるフェーズに!

 

 

アートディレクターになった今、次に考えているのは「後輩たちのために何ができるか」です。私は、社内で女性最速と言われるスピードでキャリアアップしてきました。それは、女性でもキャリアを積み上げていけることを証明したいという思いから。美容師の世界って、まだまだ「女性はライフステージが変わると辞めてしまうから…」という価値観が残っているところもある。実際にそういう場合もあるかもしれませんが、私は、ストイックに仕事に向き合っていけば性別に関係なく結果が残せるはずだと思うし、それを自分の手で示したかったんですよね。

 

 

ここまでは、その目標に向けて駆け抜けてきました。これからは自分のためばかりではなく、女性が活躍できるような環境づくりをしたり、後輩たちのロールモデルになることも、私の役割のひとつだと思っています。

今回は、PEEK-A-BOOで女性初のアートディレクターということでこうして取材をしていただきましたが、ほかにも未開拓のことにたくさんチャレンジをしていきたい。性別関係なくトップに立つ人間になることが、ずっと人生の目標です。

 

プロフィール
PEEK-A-BOO ONE/アートディレクター

伊藤 雨潔(いとう さゆき)

台北出身。ハリウッド美容専門学校卒業後、PEEK-A-BOOに入社。デビュー後は周りを引き離すスピード感でキャリアアップを重ね、2025年3月にはPEEK-A-BOO初の女性アートディレクターに歴代最速で就任。サロンワークはもちろん、クリエイティブ方面やセミナー講師など八面六臂の活躍を見せる。

Instagram:@saaayuj

 

(文/須川奈津江 撮影/菊池麻美)

 

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