OPEN半年で2店舗展開。“異例の加速”はなぜ起きたのか——椎名晃平・金森息吹が語るサロンKのスタートダッシュ
コンセプト・空間・チームでつくる“リピートの仕組み”

―Kのコンセプトは?
椎名:Kは、ただ髪を切りに来る場所ではなくて、人に会いに来る、空間を楽しみに来る、トレンドを感じに来る、そういう“プラスアルファ”のあるサロンにしたいと思っていました。
内装も、他にはないものを目指しました。全体を黒で統一して、壁も凹凸のある特殊な塗り。窓もなくしました。見たことのない空間になっていると思います。イメージは洞窟なんですが、最初の発想は牢屋だったんです(笑)。一度来たら虜になって、もう出られないよっていう。でもさすがに行き過ぎかなと思って、洞窟に落ち着きました。
―サロンのコンセプトや方向性は二人で考えているのでしょうか?
椎名:基本はそうなんですが、会社の代表は僕と息吹で、サロンの代表はもう二人いるんです。一人はハイトーンカラーで有名なトレンドサロン出身のSAKI(サキ)、もう一人は老舗メンズサロン出身の高橋啓(たかはしけい)です。あとは今店長をしてくれている八鍬駿一朗(やくわしゅんいちろう)を加えた5人で話し合って決めていきました。

―役割分担はどのように?
金森:椎名は「これをやりたい」という意思が強くて、求心力もあるので、ブランディングを構築しながらチームを引っ張る役割ですね。僕は、椎名の思い描いた構想をどう現実に落とし込むか、数字や契約面も含めて、形にしていくのが役割です。
椎名:高橋はビジュアルとマーケティングに強くて、SNSの発信力があります。SAKIはブリーチをはじめ技術力が高く、教育面を任せています。八鍬は前社から一緒なので、僕たちの考えを理解した上で、現場をしっかりまとめてくれるんです。それぞれが自分の強みを最大限に発揮しながら、チームとして前に進んでいます。
―Kのスタイルの特徴は?
椎名:あえてスタイル特化をしないことですね。最近は韓国ヘアやブリーチなど、打ち出しを絞るサロンも多いですが、Kはさまざまなバックグラウンドのスタッフが集まっているので、それぞれの得意を共有しながら、どんなスタイルにも対応できるのが強みだと思っています。

金森:差別化という意味では、メンズスタイルの“再現性”にはかなりこだわっています。一般的にメンズヘアはトップが短くて、スタイリングありきのものも多いですが、Kのスタイルは、バーっとスタイリング剤をつければ1分で決まる。極端に言えば、ノーセットでも成立するんです。
お客さまは10代〜20代とリピートが難しいと言われる層が中心なんですが、それでも80〜90%という高いリピート率を維持できているのは、この再現性の高さが一つの要因だと思います。
―リピート率につながっている要因は他にもありますか?
椎名:ホスピタリティですかね。お客さまとの会話からニーズを拾って、本当に欲しいものは何か、万人にではなくこの人の心地よさは何かというのは常に探っています。
金森:ホスピタリティについてはかなり細かい部分まで共有していますよ。話す内容だけでなく、声のトーンや語尾のニュアンスまで、そのお客さまに合っているかをみんなで話し合っています。ありがたいことに沢山のお客さまに来ていただいていて、掛け持ちすることもあるのですが、そういう時こそあえて声のボリュームを落として、マンツーマンの空気感を崩さないようにしています。そういった意識を、スタッフ全員が持ってくれているのは大きいですね。
