【神戸発】 “不器用美容師”毛利太嘉が、3店舗展開の急成長サロン『Maison』代表になるまで。待望のメンズ向けオリジナルワックスもいよいよ完成!

神戸でユニセックスサロン『Maison(メゾン)』、メンズ専門サロン『Maison for men(メゾンフォーメン)』、そして大阪・心斎橋に『Maison心斎橋』を展開するMaisonグループ。代表を務める毛利太嘉(もうりたか)さんは、実は“接客が苦手で不器用”だったという意外な一面を持つ美容師です。シャンプー試験に6回も落ちた下積み時代を経て、努力を積み重ねて道を切り開いてきました。今ではSNS発信を武器にサロンを繁盛店へと導き、スタッフの社内独立を支援しながらオリジナルワックスの開発も実現。失敗と挑戦を繰り返しながら成長を続ける、毛利さんのリアルな物語をお届けします。
シャンプー不合格6回。逃げなかった”不屈の精神”
――毛利さんは新卒で入社した神戸の大型サロンに5年半在籍されましたが、どんなアシスタント時代でしたか?
もう12年前になりますが、当時は深夜までレッスンするのが当たり前の時代でしたね。2時、3時までの練習は普通で、5時までやる日もありました。僕は本当に不器用で、最初のシャンプー試験に6回も落ちたんですよ。同期が合格していく中で自分だけ取り残されて、めちゃくちゃ悔しくて。”なんとなく”美容師になった経緯もあったので、「美容師は向いてないのかな」とも思いました。それでも、自分が一度決めたことからは絶対に逃げたくなかった。練習を続けて、合格したときの嬉しさは今でも忘れられません。

――そこからどんな風に成長していったんですか?
合格してからは、お客さまに全力でシャンプーするようになりました。初めて指名をもらったときの感動は、本当に大きかったですね。3年でスタイリストデビューできたんですが、接客はあまり得意ではなかったかも。お客さまと会話しながら施術する難しさは、それこそ自分との戦い。頑張っている周りの人がどんどん輝いていくのを見て、「全て自分次第だ」と気づき、努力を重ねましたね。おかげで少しずつ指名も増えていきました。
――その頃に担当したお客さまは、レディースがメインだったそうですね?
そうですが、男性客も少しいました。男性の方が会話がはずむし、一度のカットで印象がガラッと変わるのが楽しくて。それで、徐々に男性のお客さまを増やしていきました。ところが、デビューから2年半経った頃に業務委託サロンが流行り始めて、スタッフがごそっと辞めてしまったんですね。その結果、店舗が閉鎖してしまうことに。そのタイミングで、先輩から近所に新店を出す誘いを受けて、オープニングスタッフとして参加することにしました。
