【神戸発】 “不器用美容師”毛利太嘉が、3店舗展開の急成長サロン『Maison』代表になるまで。待望のメンズ向けオリジナルワックスもいよいよ完成!
メンズパーマ発信で予約が殺到!『Maison』誕生の裏側
――先輩の店に入ってからは、メンズに特化していったんですね?
はい。自由度も高かったこともあり、メンズを推していこうと決めました。レディースより客単価が低いので「数をこなさないと」と言われていましたが、それでもメンズが楽しかったんです。インスタも毎日メンズスタイルを投稿して、フォロワーは最初1000人ほどでしたが少しずつ増えていきました。紹介も多くて、幅広い客層が来てくれましたね。

――パーマ推しはいつ頃からですか?
ジェットモヒカンがめちゃくちゃ流行って、そのあとくらいからですね。パーマが楽しいと思い始めて、発信もパーマ中心に切り替えました。それが当たり、1日最大8名のマンツーマン施術でしたけど売上が一気に上がりました。新しいスタイルにも積極的に挑戦し、時間があるときは先輩の頭を借りて練習していましたね。
――独立のきっかけを教えてください。
先輩の店に4年ほどいたんですが、「もっとお客さまを施術をしたい」と思うようになって。元同僚の後輩と一緒に美容室を出店する話になり、2023年4月に神戸に『Maison』をオープンしました。SNSを強化してフォロワーも増やし、オープン当初から予約は順調でしたね。スタッフも雇い、教育しながら運営に慣れていきました。僕の予約は2ヵ月先まで埋まり、スタッフの顧客も次第に増えていきました。

――SNS発信はどのように工夫されましたか?
店舗の集客力を上げるためにオンラインサロンに入り、カウンセリング動画を作るなど本格的に学びました。最初は動画編集も自分でやっていましたが、今は外注しています。フォロワーが増えて、美容師さんやディーラー、メーカー、他業種の方とも繋がりが広がって、SNSを頑張った甲斐がありました。
スタッフの未来を拓く”社内独立”と、組織作りのこだわり
――現在は3店舗体制とのことですが、スタッフの社内独立制度にも取り組んでいるそうですね。
はい。2025年11月に、心斎橋にもう1店舗オープン予定なんですが、これは社内独立という形でうちのスタッフが代表を務めます。今後も社内独立はどんどん展開していこうと考えています。理由はシンプルで、働いてくれているスタッフの未来をしっかり作っていきたいから。独立=ゴールではないですが、高みを目指すスタッフには、挑戦の場を与えていきたいと思っています。

――”みんなでありがとうをデカくする”というビジョンも印象的です。
一人の幸せには限界がありますが、組織で助け合いながら感謝の循環を作っていけたら、より大きな幸せを生み出せるんじゃないかなと思って掲げたビジョンです。昔は、スタッフそれぞれの“個の力”を伸ばすことにフォーカスしていたんですが、今は“組織力”をどう高めていくかを考えるようになってきましたね。
――教育に関しても、こだわりがありそうですね。
僕自身が不器用だったので、スタッフがつまずく気持ちはすごくわかるんです。だから、ただ技術を教えるだけじゃなくて、気持ちに寄り添いながら伝えることを大切にしています。指導も昔のような体育会系ではなくて、それぞれの性格やタイプに合わせたアプローチを意識しています。
これまで本当にトライ&エラーを繰り返しでしたし、今もまだ成長の途中です。でも、”お客さまに喜んでいただくため”という軸はずっと変わりません。接客も技術もカウンセリングも、全てはそこに繋っていると思っています。