「家庭もキャリアも夢も、全部あきらめない」Michio Nozawa HAIR SALON代表・那須久美子が描く、“女性の感性が息づく新時代のサロンへ”

 

野沢道生氏との出会い、そして”愛される美容師“を目指して

 

――野沢道生さんの専属アシスタントになったのは、いつ頃ですか?

 

アシスタント2年目の夏です。野沢は押しも押されぬスタープレイヤーですから、本来ならデビュー直前の経験値の高いアシスタントが専属として抜擢されるんです。でも、当時の店長が私を推薦してくれて。野沢のアシスタントに就けたことは、嬉しさの反面プレッシャーも大きくて。緊張のあまり、最初に担当したお客さまのパーマを巻く手が震えていたのを覚えています(笑)。でも、そのお客さまが仕上がりを喜んでくださって。次第に野沢からも仕事を任されるようになりました。






――そこから現在に至るまで、23年間の関係が続くんですね。

 

はい。技術はもちろん、立ち居振る舞い、所作、お客さまへの向き合い方など、本当に細かく学ばせていただきました。24歳でスタイリストデビューするときも、野沢が私の髪をバッサリ切ってくれたんです。当時は“エビちゃんヘア(蛯原友里)”が全盛期だったので髪を伸ばしていたんですが、「君は短いほうが似合う」と。その結果、周りからすごく評判がよくて、“似合わせ”の大切さを身をもって学びましたね。





 

――スタイリストになってからは、どんな思いでサロンに立っていましたか?

 

「お客さまから長く愛される美容師になりたい」、それだけでした。初めの頃は自分のデザインに迷いがありましたが、 お客さまに寄り添うことを徹底したことで、ライフスタイルに合わせたデザインこそが本質だと気づいたんです。例えば、ドライヤーを前から当てる人、後ろから当てる人、自然乾燥の人など、日常の習慣を深掘りしていくことで、再現性の高いスタイルを提案する。そうするとお客さまが自宅でも扱いやすく、スタイルも維持できるので、「髪型を褒められました」と言ってもらえることが増えていきました。私のお客さまは4割がメンズなのですが、そこまで増えたのはすべて紹介なんです。髪型が奥さまに好評だと、奥さまやお子さままで来店していただけるんですよ。“家族ぐるみ”で信頼される関係が築けるのは、大きな喜びですよね。





 

――いまも1日20名を担当されているそうですが、技術の軸は何でしょう?

 

“再現性”と”似合わせ”で、お客さまの自己肯定感を上げることです。ヘアスタイルが変わるだけで人の表情が変わり、自信までわいてきますよね。その瞬間を生み出すのが美容師の仕事ですし、私はその“製造機”でありたいと思っています。









>「働き方は十人十色」──ママ美容師、そしてリーダーとしての挑戦

 


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