【NOUe・土田哲也】売上最下位からの逆転劇。紆余曲折を乗り越え、理想の実現に向けて走り続ける原動力と戦い方
新サロンの立ち上げから5年。独立出店へ
――『NOUe』の構想は、いつ頃から生まれたのでしょうか。
渋谷のvainを立ち上げてから、3年経った頃でしょうか。年月が経過して大人世代のお客さまも増えました。これから先も長いお付き合いを重ねていくためにも、落ち着いた空間とホスピタリティを提供できる環境の中で、自分の今まで培った美容人生の集大成のような店舗を作ろうと。
会社には売れていなかった自分を育ててもらった恩義もあるので、独立するなら筋を通したかったんですね。それで会社と2年ほど対話して、お互いにいい関係性を維持できる独立の仕方を模索しました。その結果、パートナー制度での独立ではありつつ、資本関係はないという形での独立出店を実現したんです。

――円満退社だったんですね。『NOUe』という店名は、どんな意味を込めているんでしょうか。
フランス語で「結ぶ」とか「繋がる」という意味があるんですけど、僕は「紡いでいく」という意味を込めていて。お客さまがいろんな思いを抱えて来店されるので、その思いと美容師の技術・感性を紡いでいきたいなと。また、僕がやってきた20年の技術を、後輩に紡いでいきたいという気持ちもあります。技術は伝承していくものなので。
