ジェンダーを越えるニュアンスヘア。美容師とヘアスタイリストを横断するNu:v /Tacさんのスタイルと世界観
可愛いの中にかっこよさを、かっこいいの中に女性らしさを

―ヘアスタイリストとしての仕事を拡張させる一方でサロンワークでは、ジェンダーを問わず似合わせる中性的なニュアンスヘアで人気を集めています。今のスタイルはどのように生まれたのでしょうか?
Nu:vに入った頃はレディースのレイヤーカットをメインに打ち出していて、8割が女性のお客さまでした。僕はナチュラルな中に少しエッジを効かせたスタイルが好きで。レディースでも可愛い中にちょっとだけかっこよさを感じるようなデザインを意識してきました。
それで、その逆をやってみたらどうだろうと思って。メンズだけれどメンズすぎないウルフを打ち出してみたんです。

―男女どちらにも共通する、スタイルづくりの基準はありますか?
「おしゃれだけど、やりすぎない」というバランスは大事にしています。たとえばメンズのウルフなら、襟足を長くして、顔まわりもしっかりウルフにすると、それぞれの要素が強くなりすぎることがあります。だから、どこかを強くしたら、どこかを引く。顔まわりにデザインを入れるなら、長さはそこまで出さない。逆に長さを残すなら、顔まわりはナチュラルにする。そうやって足し算だけではなく、引き算をすることで、自然だけどちゃんとポイントがあるスタイルにしています。

―現在のスタイルをつくるうえで、どのようなものからインスピレーションを得ていますか?
まず、人の顔をすごく見ています。その人の顔立ちを見たうえで、どういう髪型が似合うのかを考えることが多いです。
イメージソースとしては、Pinterestや昔の雑誌、平成の女優さんなどをよく見ます。昔の『mini』のような雑誌や、90年代くらいの海外のファッション誌を見ることも。昔のスタイルをそのまま再現するのではなく、今のレイヤーやファッションに合わせて、自分なりに再解釈して取り入れています。

今提案しているスタイルは、レディースとメンズのどちらにも当てはめられることが一つの特徴だと思っています。これまでレディースで「可愛い」をずっとやってきたので、女性らしさのつくり方は分かりますし、一方で撮影などの現場でメンズのスタイルもたくさんつくってきたので、メンズの「かっこいい」も分かる。その両方を掛け合わせられるのは、自分の強みだと思います。

今は男性、女性という分け方よりも、その人に似合うかどうかを考えることが多いです。
サロンワークと作品撮りも、別々のものではありません。お客さまの髪を切って感じたことが作品につながることもあるし、撮影で得た感覚をサロンワークに持ち込むこともある。いろいろな場所で得た経験が、今のスタイルにつながっています。
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